GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

マンソンさん

ピッコマ先生で読んでいる漫画に、小池一夫先生と叶精作先生がタッグを組んだシリーズのひとつの「上ってなンボ!」という作品があります。
最初はキンゾーさんという人の話、次がキンゾーさんのキャディをしていた太一君が主人公の話、その次の話もあるらしいがそれはまだ読んでいない。
キンゾーさんは顔にスクリーントーンを貼った褐色キャラで、背が高く体もがっちりしてハンサムで野性的でパワーゴルフなタイプです。ゴルフのために家庭を捨てたとか言ってた気がする。
ところで私は知らないのですが最近のデジタル漫画家さんは顔をピッてやるとドバーとトーンが貼られていくんですかね。そうなんでしょうね。私も昔スクリーントーンを貼ったことありますけど、きれいにきちんとカットしたり削ったりするの結構難しかったっけな。ポケベルのようにスクリーントーンの会社って廃業していくのだろうか。
太一君は逆に背が低くて小僧みたいでメガネかけててパワーはない。だから精一杯いろんな技術と知識を蓄えて強くなっていく。大概の相手が太一君の容姿に「自分より下」とみて戦うんですが、戦ううちに「こ、こいつッ…!」て驚いて、そして戦ううちに太一君のゴルフがうまくなりたいという情熱に打たれて、皆それぞれ持っている技術を太一君に伝え、「どこそこの誰それに会ってみなさい」と言って去っていく。わらしべゴルファーです。
その中のひとりに、ウォルター・マンソンさんという人がいて、体が悪くてパワーが無いんだけど、グリーンまで来るともう絶対入れるマン。パットの鬼。穴までまだすごく遠いのにパットを打つとすっと腰を屈めてお辞儀しニヤリと笑う。球は至極当然に穴に入る。そのくだりが何度かあるんですが、ものすごくカッコいい。シルクハットを被り燕尾服(尻尾は邪魔なのでカットした)を着ていて、顔が悪魔的なのでとても似合う。見とれたね。
あれで入らなかったらどれだけこっぱずかしいだろう、と凡人は思うわけですが、絶対に入る。それだけの練習を積み重ねているからそう出来る。何もかもかっこいい。
愛妻とふたり、貧乏と戦いながらゴルフをやってきたのですが自分は胸を病み、奥様は心臓を患って死んでしまった。シルクハットと燕尾服は結婚式だかなんだかのもの。なんだかってことはないですが。
自分にはパワーはない。それでも、知識と技術で十分勝てることを証明したかったが、と言って去っていく。でも、知識と技術で勝つというのはまさしく太一君が目指している姿で、彼の家へ押しかけいろいろと教えてもらう。いつか君が、えーとなんだっけ、マスターズ?すみませんねえゴルフのことはさっぱり知らん。で優勝した時には、私と妻が君の左右にいるだろうと言ってくれて、数日後亡くなる。太一君は泣く。
さっき言ったように太一君はケンシロウのように沢山の強敵(ともと読む)と戦い、彼らの想いを自分の中に蓄えて強くなっていきますので、戦いの中で困ったり苦しんだりした時に「あの人が言っていたこと」を思い出して切り抜ける。マンソンさんも時々出てきて助言してくれる。出てくると嬉しい。
スピードワゴンが、ツェペリさんの帽子を受け継いで被ってたし、太一君もシルクハット被ってゴルフやれ。
太一君と戦って去っていく人たちは皆かっこいいですが、マンソンさんが私にとってダントツです。この先もまだまだ続きがあるんですけど、きっとマンソンさんを抜く人はいない。ええ。