GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

ゴールデンカムイに夢中

アニメの方は観られるところまで観てしまった。4期の何話目だか… 原作の方はまだキロランケが競馬に出て杉元が白石に金が手に入ったから一抜けたって、俺があの子に言うと思ってんのか、と怒鳴ってる辺りです。この時といい、「その子を盾にするな!」って怒る時といい、アシㇼパさんに関する杉元の激しい怒りには本当に胸のすく思いです。こういうストーリーの知り方はいけないなと思うんですが、アニメが大変よく出来ていてさ。最初の頃のCG熊にはちょっとびっくりしたけれども。続き!観ずにはいられない!ぶっ続けで観ちゃったよ。前にも言った気がしますが4期のオープニングがとてもかっこよくて作品に沿った感じがする。うん、せっかくなんだからジョジョみたいに作品にがっちりはまったオープニング曲を作って欲しいのになと思ったのだった。いっそアイヌ語の歌とかさ。何期めかのエンディングの、アシㇼパさんが杉元の鼓動を後押しするやつは良かったな。曲のリズムと、鼓動のたびに光るサイクルが一致していて、見ていると胸が熱くなった。
出てくる人たちが一人残らず濃い。私にとって一番濃いのはやっぱり鶴見中尉です。やることがすごいね。自分に心酔し忠実な駒となって働いてくれる部下を手に入れるために、あんなに手間暇かけてお膳立てするんですか。どこにでも出てくるし。写真館の人まで鶴見中尉なのには驚いた。
月島さんの好きだったくせっ毛女性はどうなったのが事実なのか、もはや私にはわからない。後から教えにきた人言っていたことが嘘なのは確かだけど。しかし、あの場で砲撃を受けることまでまさか計算していた訳ではないだろうから、下手すりゃあそこで鶴見中尉は死んでいたわけでしょう。ジャイアントロボ孔明みたいに本当に「何もかも私の思うがまま」「計算通り」なのかしら。どうなのか。
月島さんだけは全部わかった上で鶴見中尉の手先、いや右腕となって仕事をしてるんだわね。なんかしみじみと、全部終わった後で月島さんは報われるといいなあと思う。どうなるのが報われることなのかわかりませんが。
鯉登少尉が、自分の誘拐事件は鶴見中尉によって仕組まれたことなのかと月島さんにつめよった時、おお~この人気付いた!と思ったんですが、その後真っ黒な顔の月島さんに「あなた方は救われたじゃないですか」云々言われた後、鯉登少尉がなんて人だ鶴見中尉ステキーッああ~~~みたいになったのを見て、えっ喜ぶんだ?とちょっとびっくりした。顔に落書き書かれたのを刺青にした人とかはそうなるでしょうけど。でも、鯉登少尉から見た鶴見中尉との出会いはすっごくロマンチックだったね。浪漫って書きたくなる感じ。これじゃ心酔するわね。全部計算ずくなのにねえ。
鶴見中尉に限りませんが、鼻を落とす耳を落とす顔に串をぶっ刺す等々を何のためらいもなくやれるっていうのが。杉元と二瓶の戦いの時も「指が落ちてるんですが…」と呟きましたが二人とも何も思ってないようであった。
そして尾形。皆それぞれ、何か目的があるんですけど、あの人は一体何のために戦っているんだろうか。金が欲しいようにも思えないし誰かに認められたいわけでもないし、一瞬のスリルにおのれのスキルの全てを賭ける快感…というわけでもないようだし。ひどい出生と、弟を惨たらしい形で殺した罪を背負ってるのはわかりましたが、救われたいわけでもないようだし、「でもないようだし」ばかり並んでいる。
それから
物語が進むにつれて、「誰と誰と誰で、どこそこへ向かう旅。道中、こんな事件があった」というパーティが何度も組まれては事態が変わって解散になり、また別のパーティが組まれといった形になります。敵だった人と一緒に風呂に入り、敵だった人と一緒に食事し、敵だった人と芸をする。そこらへんの割り切り方はすごいし、珍しい作品だと思う。一緒にそれだけいろいろやって、助け合って、命を救い合って旅をするのって、結構、情がわいたり絆が生まれたりするものだが、そんなものは状況が変われば一切なくなる。まあ、尾形のことを思い出しながらしゃべってるわけですが。すごいよねえ。あいつ杉元の頭撃ったんだよ。それでいてアシㇼパさんと一緒に旅をしてチタタプなんて言ってみたりして、そして最後は「何か思い出したんだろう。言え」眼球に毒矢射されて「これでお前も闇落ちだ」な笑顔で。で杉元が走ってきて、お前ごときのためにアシㇼパさんを人殺しにするものかって。あーすごい。再会のシーンは本当にぐっときました。よかったねえ。白石のおしっこ込みで。
谷垣って二瓶との話がすごく良くて、ずっと彼の銃を持っていて口癖も受け継いで、それをアイヌの少年に引き継ぐっていうのがとても良い。ラッコ鍋だの男のハダカがらみのギャグでやたら使われてますが、私は珍しくこの漫画のホモホモ路線にはあまり、ワーキャー言う気持ちにならないです。漢の心意気とか、底力とかの方にムラムラする。鶴見中尉の怪しさにもムラムラするけど。うん、男の相撲よりはひっそりと鶴見中尉の背後に立つ月島軍曹の佇まいの方にムラムラする。「撃て」「はい」パン、って…
それから
江渡貝くん。このひと似た名前のシリアルキラーからとったんだよね?この人のファッションショーは本当に気持ち悪くてゾッとしました。そしてこの人が鶴見中尉に出会って、初めて自分を等身大で認めてくれる人として尊敬し敬愛する気持ちは、よくわかった。ンドゥールじゃないが悪には悪の救世主が必要なんだろうな。そしてこの人の最期、すばらしい出来栄えの偽物を月島さんに託して、見分け方のキーワードを伝え「鶴見さんならわかるから」って言って、涙ぐんで微笑んで死ぬところ、不覚にも感動してしまいました。やってることがどれだけ人の道を外れていても、自分なりの矜持とか情熱があって、それを認めてくれる人のために命を懸ける姿って、感動しちゃいかんのだが感動をそそられるのです。でも感動しちゃだめだけど。とにかく、情緒とか、まっすぐな魂、志ってものと、容赦ないバッサリ切り捨て加減とが両立してる作品なんである。

いや~久々に滾る作品と出会いました。頼む、杉元、死ぬなー!アシㇼパさんを幸せにしてやってくれー!あ~どうなるのかしら…