GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

あしたのジョーの昔の映画

2000年代のではなく大昔の方の。えーと1975年だって。
ジョーをやったいしばししょうじは「夜明けの停車場で~」という歌を歌っていた人、その他のキャストは申し訳ないが全く知らない。
多分、映画製作にかかったお金は、2011年の山Pジョー映画よりも安いんだろうと思うのです。CGとかまだ全くない頃だし。でも、こっちの方が各々のキャストがそのキャラクターに見えました。ちゃんとジョーに、力石に、見えたですよ。まあ大概、ジョーはそれなりに、暴れん坊で反抗的だけど胸に虚無の風が吹き荒れている若者がボクシングに出会い、生まれて初めて心底戦いたいと思うライバルの力石と出会う、ということで納得しますが、力石が「他の誰でなく、ジョーと戦うことをこそ選ぶ。バンタム級に留まるために命の危険が伴う減量に挑む」ってのが、どうしてジョーなのか、別に他のフェザー級世界ランキング王者を倒してチャンピオンになるでは駄目なのか、ダメなのだ、ジョーでなければ、という点を、見ているこっちを納得させられる力石かが鍵です。なんか日本語がめちゃくちゃですけど。
ジョー→力石の情熱は結構簡単に理解可能ですが、力石→ジョーは、役者の腕の見せ所といいますか。
あと、「ただのうるさいガキ」と思っていたジョーのジャブだけがやたらと良いパンチで、その後のストレートがど素人みたいだった、というくだりが必ず出てくるんですが、そのシーンがわたしゃ大好きなんですが、まあそれはいいんですが、その時の、殴られて驚いてぽかんとしている力石の顔が大好きなんですね。誰かに殴られるなんてことはここ数年なくて、純粋に、相手の思いがけない強さにビックリしている顔が、もう大好物で。あの時が力石の、初めての衝撃だったのかなあと思う。
あの顔についてはどちらの映画もオッケイでした。グッときました。
カーロスとはなあ、クリスマスの公園でふたりきりになれたけど、力石とはなあ。個人的なそういうシーンが無いからなあ。チェッ。ふたりで、白木ジム主催のパーティを抜け出すとかすればよかったのになあ。こんなこと考えてるやつは私ひとりでしょうけど。

昔の映画の方が原作に近い、と思いましたが、それは、背景というか、舞台設定の説得力が、やっぱり最近のCG使いまくりの映画では全くないんだよねということでした。ドヤ街、涙橋、パチンコ屋、夜の飲み屋街。どれもこれもみんな本物。本当に存在していて、そこで撮ったのとは、どれだけ金掛けて作っCGや大道具でも全然違うもんね。空気感ていうか。
日本沈没のドラマが、戦争の傷跡を引きずっている頃の日本であるのと、最近の、ネットや携帯電話のある日本であるのとはやはり全然違うのと同じように。
というわけで、今からでは決して撮れない映画というものがあるんだよという話でした。