GRJ日記

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パヤオの説教

ネットに繋がらない時に仕方なくテレビを観ていた頃なんですが、もののけ姫をやっていまして、久々に観ました。
封切になった時は映画館で観まして、その時は「説教くさいなあ」と思い、でもものごとについて真剣に考えたら、それはどうしたって説教になるんだよなと思いました。説教と言うか、ハッキリした自己主張、殊に現状に対する批判を含んだ意見を発表するなら、その作品から圧力を感じるのは当たり前である。
でも今回久し振りに観て、昔より面白いと感じました。序盤で事件が起こり、最初の山場があり、山場の結果を踏まえてさらに展開し、最も大きな山場を迎え、とある部分に関しては解決されず課題を残しつつも一定の終息を迎える。そう書くとナウシカによく似ている。もののけ姫は確かにナウシカならあの場面にあたる、と言えるシーンが各所にあります。クライマックスも、圧倒的な存在の前に捨て身でおのれを投げ出し、死んでもいいと覚悟して誠意を見せる。気絶から覚めると赦されていた。のような。似てる。似てるけど納得のいく、腑に落ちる筋道なのだろう。あれ、ラピュタもそうか。王蟲の群れのまっただ中でデイダラボッチの首を掲げて「バルス
ラピュタは初期の作品の中で一番人気と聞いたことがある。つらい経験にくじけず真っ直ぐに真っ当に育った少年と少女が、心を通わせあう冒険アクションロマン。言う事ナス。ラピュタの説教がなにかといったら、「人間はどんな力を手にしたところで大地を離れては生きられない」とかその辺でしょうが、説教自体より、主人公たちの真っ当加減を描くことにこそ全力を挙げていると思う。それがよいのだと思うし。
そしてなんだか、パヤオの後半の作品は、説教の方向がとんちんかんな感じがするのです。ポニョとかハウルとか風立ちぬとか。観客側に対し強い口調で言い渡したいことがあるのはわかるのだが、それが一体何なのかさっぱり。老人を大事にしろ?守りたいものを守れ?自分にしか出来ないことを突き詰めろ?言ってて「違うな」とは思うのだが…それにね、パヤオの作品と言えば動きの良さ(殊に飛ぶシーン)が他の追随を許さない筈なんですが、後半のそこらへんの作品は勿論いろいろ動いているんだろうけど全然爽快でないです。紅の豚はどっち側かなあ。説教くささと動きの心地よさのどちらに重きが置かれているだろう。
なんかね、いっそのこと、有名なお話をじっくり膨らまし細部を組み立て直してアニメ化した方がいいんじゃないだろうか。説教の部分は原作に任せて。未来少年コナンとかハイジみたいに。ほれ、ホームズも良かったし。
パヤオ相手に言うことではないと言われるかも知れないけど、アラキ先生も短編読み切りの方が向いてると思うし、案外面白い解釈の…アラビアンナイトとか、グリム童話とか、そうそう、パヤオが好きだというモロ★大二郎先生のマッドメンなんかアニメ化したら視てみたい。かなり。すごく。