GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

志村、後ろ後ろ

会社で仕事をしていたらトップの人が「しむらけんが死んだって」と叫び、みんなびっくりして、それぞれ自分のパソコンでやふーを見てから「???本当ですか?」と尋ねました。載ってなかったので。
「本当だよ。そういうニュースが来るように設定してるんだものこのスマホ」という返事を聞いて数秒後、やふーのページにしむらけん死去、が出始めました。
皆で口々に「大昔から見ていたしむらけんが死んだのがショック」の方向、「やっぱりコロナは恐ろしいことがはっきりわかった」の方向、「しむら動物園は今後どうなるんだろう」の方向等々、あっちこっちへ話が飛びまくりました。その後お客さんのところへ行ってもどこもかしこもしむらけんの話でもちきり。昔、老若男女全世代の日本人に一番知られている人は誰だろうと考えた時、その時点ではタモリかなと思ったのですが、いいともが終わってから久しく、今では若い子は「お昼休みはウキウキウォッチン」の歌も知らないだろう。その点、未だに時々バカ殿はやってるし、それこそしむら動物園やってるし、全世代に知れ渡っているのは今では志村けんかも知れないね。
バカ殿さまは、正直見ていて大笑いはしなかった。「今はこの腰元役の女がお気に入りか」「ダチョウ倶楽部くわまんも、もしやめたくなっても今更やめたいとは言えないんだろうな」とか思っていました。柄本明との芸者コントなんかは面白かったけれども。そのくらいで。ひとみ婆ちゃんとか、変なおじさんとか、もはや様式美ですね。毎回同じなんだもの。でも別に、だからもうやらなきゃいいのに、とは思わなかった。これはこれでいいと思っていた。みとこうもんのドラマに対するものと同じ。別にわざわざ斬新なアイディアとか筋書とか設定を盛り込まなくてもいいよって。
大昔の全員集合なんか見ていると、子供の、心からの笑い声の大きさに驚く。観客が心の底から「志村、うしろ、うしろ」と叫んでいる。今どきそんな観客の声は拾えないだろう。皆スレてなかったんだろうけど。バカ殿さまのコントって、全員集合のコントと地続きな感じがする。昔の、うしろうしろ!のコントを見守る視線のまま、バカ殿も見守ってる感じです。
で、その後も皆口々に各々の思う方向で志村けん逝去の件を口にし、この事で今まで浮かれていた連中にコロナの恐ろしさを知らしめた、と言う人もおり、似たようなことを言ったコイケ都知事の発現が不謹慎だとかいう騒ぎも見ました。
私個人が思うのは
志村けんは、死ぬ気なんて全然なかっただろう、主役の映画やら朝ドラとか明日に架ける虹の橋がいくつもあって、どの橋から渡ろう、もっともっとやりたいこともあるし。そのさなか、なんか具合悪くなって、意識なくなって、戻って来られなくて死んじゃった。その「死ぬ気なんてなかった」点において絶対的にそうだったろうと言えるような人が、死んでしまったのが、本当に気の毒だと思いました。心残りなことが山ほどあったろう。
覚悟が出来ていて、身辺整理もして、さあ、もういい、と思ってた人が亡くなったのであれば、それが銀幕の大スターでも、コントの神様でも、どこかの公務員でも、こんな気持ちにはならないだろう。ほんの半月前、自分が4月の1日にはもうこの世に居ないなんて、想像もしなかった、その辺りが、ただ気の毒です。