あなたの町ではもうとっくに桜は散ってしまいましたか。それともまだこれからか。
私の町では半分以上散った、くらいです。
寂しいけれども、桜が散るというのはもうすぐ夏が来るってことですから、まあいいかと気を取り直せますね。
そして時々、「たった一週間だけ咲いて散るから、桜はきれいなのだ」という意見を目にします。目にするというかそれがセオリーってことになってます。はかなさの美学。日本人の心。わびさび。
でも、桜が一年中咲いててもきれいだと思うんじゃないだろうか。目にした瞬間の、「ああ、桜が咲いてる」って言った感情、その「ああ」の部分の大きさはもちろん全く違うけど。でもやっぱり青空を背景に咲くあの文字通りの桜色の花は、本当にきれいだなと思う。他にもいろいろ木に咲く花はあるけど、桜は殊にきれいに思う。私のこの気持ちが、「ようやく冬が終わって春が来た喜び」とか、「年度が変わってある人とは別れになり、ある人とは出会う、その寂しさや背筋の伸びるすがすがしい気持ち」とかいったものと、結びついているのかどうなのか。わかりません。
また、たとえば桜が夏の終わりに一週間だけ咲く晩夏の花であったらどうだろうか。あの花が、夏が去ることの象徴であったら、こんなに無条件に「桜はきれいだ」と思わないかも知れない。ありそうな気がする。
でもいつでも桜が見られるとしたら嬉しいけどなあ。そうね、どこかの山奥に一年中咲いている桜があるのかも知れない。行こうと思ってると行けず、忘れている時だけ行けるたぐいの場所ですね。な、ナルニア?
で、今度もっと北の方へ行って桜を見てきます。年末からずぅーっと仕事続きですからな…桜をゆっくり見てしみじみしてきます。