GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

おつきさま

お客さんの家で、「おつきさま こんばんは」という絵本を見ました。

とてもすてきな本だった。定点カメラで、時間の経過によって変わっていく風景を描いていて

話の筋は、夜になって、月がのぼっていく。時には雲で隠れてしまって、その後雲が過ぎてまた月が出るのを、猫が見ている。最後に人間の親子も出てきて、皆で月を見る。

という極めてシンプルなものです。

この絵本の一番すぐれている点はやはり色だと思う。夜の闇は黒ですが、月の光が強い夜には藍色みたいに感じますよね。あの色と、それから黄色い月の光。大まかにいうとその2色しか使っていないのですがとても鮮やかな色合い、色味を感じる。

そして言葉の並びが良い。単に優し気な言葉を並べたというんでなく、こう…センスがよくて、リズムがよくて、読むと口どけが良い感じ。

また、表情があるのが月だけで、猫や親子はみな背中しか見せていない。こちらを向いているのは月だけ。その月の顔が、とてもぐっとくるのです。マンガチックではなくて、やや写実的な感じなんだけれども、可愛らしくて、また生真面目で、月の性格が伝わってくるようです。

もし実際の月がこんなだったら、わたしゃいつまでも月を見ていることだろう。いや誰もがそうだろう。月に悲しい顔をさせたくないので、月の出ている夜は犯罪率が減ると思う。

初版は1986年だそうで、すぐれた絵本は驚くほど昔から版を重ねているものですが、この本もそうだと思う。ぐりぐらやモモちゃんとプーみたいに有名ではないのかも知れないがいい本だと思う。私が知らないだけでもしかしたら絵本界では有名作品かも知れない。そうならいいな。と思って今調べたらこの作者さんの代表作に入るくらいの本であったらしい。うむ、納得

自分が欲しくなりましたが、800円かー。「絵本って高ぇな…」「何故なのだろうな」

このお話の月も大好きですがわたしゃホント月が好き。科学がドカーンと進んだら月くらいまでなら行けるようになるんでは。月行きたい。