GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

奇談

諸星大二郎の「妖怪ハンター」の中の「生命の木」を映画化したものです。

私はマッドメンが大好きですが、稗田礼二郎ものも同じくらい好きである。それから暗黒神話も同じくらい好きだし、孔子暗黒伝も同じくらい好きです。あなたもそうでしょう。

正直に言うと、孔子暗黒伝は難しくて最後の方の「…というわけであった…!」の謎判明場面が、さっぱり判明しなくて、タケシがエーンエーンて鳴いている最後のページでこっちがエーンエーンでありました。でも、インドだかヒマラヤだかネパールだかチベットだか(この言い方でいかに私がバカかわかろうというものです)に、鋼鉄だか真鍮だかの棒が三本突っ立ってて、それに円盤が山ほど嵌まってて、デカいのから小さいやつの順番を変えて嵌め終わると世界が終わるとかいう伝説はどこかで聞いたことがあって、個人的にあせった覚えがありますが、そういうものとか、あとアスラ君と、えーと、誰だっけ、もう一人の主人公。影のない光だけの子。影はアスラ君。合体して一人になってたけど、まだ一人ずつだった頃の奇妙な友情が好きであった。

って孔子暗黒伝の話ばかりしてますが、マッドメンと稗田礼二郎暗黒神話のどれかひとつと言われたらどれを取るかなあー

難しいな。暗黒神話好きだったなあ、よくタケノウチノスクネごっこをやったよ。「じいさん!あんた、何者なんだ」「わしか?わしは景行天皇に仕え」とか一人で喋るんです。でも、コドワや稗田礼二郎みたいにキャラの立った人が暗黒神話にはいないからな。武は大変だなと思うけど個性がないし、菊池彦はディオみたいでいい味出てるけどね。

というわけでマッドメンと妖怪ハンターが残りましてさてどっちがより好きであろうか。うーむ。

やっぱリア充のコドワかな(笑)稗田礼二郎は女っ気がないのがいいところですけどね。髪型が独特だしな。学会を追放されたのは学説のせいじゃなくて髪型のせいではないのかと思ったっけ。伸たまきのパームシリーズって漫画に、カーターという人が出てくるんですが、この人を見た時に「かっこいい稗田礼二郎だ」と思ったものでした。要するに黒髪長髪で真ん中分けです。かっこいい人がやらないと撃沈な髪型です。

というわけでリア充のコドワに負けた稗田礼二郎のシリーズものの中の一話を映画化したものです。長い前置き。

もとが短編だからか、どうしてもオリジナル要素を入れるしかないんだろうかねえ。オリジナル部分は、原作の弱いところや説明不足の部分を補完する目的以外では入れて欲しくないのですが、この作品ではどうだったろうか。その昔神隠しにあって、戻って来た。でもその時の記憶がないと。

うーん。あの、じゅすへるの子孫の男の子と、主役の子の交流は要るだろうか。なんか、あのもう一人戻って来た女の子とか、おばあさんとか、ちょっと…要らなかった気がする。はなれの村、そこに住む者たち、三日前にあったこと、古い文献(あのフィルムはゾクゾクしました)等々、迫りくる謎にどきどきする方向に絞った方が良かったんじゃないのかなあー。主人公を女の子にしてちょっといい話にしようとか要らなかったかなあー

でも稗田礼二郎と主人公の女の子の間に恋愛沙汰が、鼻毛の先ほどもないのは良かった。同じ部屋に寝ようが浴衣を着ようがそんなこと何の意味もない。そう、それでいい、それがベスト。稗田礼二郎ものに恋愛要素はノウセンキュー。

肝心の「おらといっしょにぱらいそさいぐだ」の言い方がなんかちょっと違った。ここ一番のセリフなんだからもっと吟味して欲しかった。

白木みのるがいい笑顔だった。

時々、原作そのまんまの絵コンテのところがあって良かった。あの空に浮かぶ巨大な十字架の感じとか。床に開いた穴の下にうごめく人々の感じとか。結構原作を彷彿とさせました。

神父さま助かってよかったね。

重太がどんな罪を犯したのかわからないままだ、っていうのが良かった。

ところで主人公の女の子、もうちょっと可愛い子はいなかったんだろうか。ひどいこといってごめんね。でもねえ、もうちょっと可愛い子、いくらでもいると思うんだよ。

今度またジュリーが稗田礼二郎やったヒルコ借りて来て観ようと思いました。

あっ、あと、最後のところの主人公の独白が、マッドメンのなんだっけ、無垢な原初の人々を乗せて飛んで行った飛行機のあそこの波子ちゃんの言葉を思い出させた。ちょっと持ってきてるよね?

稗田礼二郎も古くから現在に至るまで描かれたキャラなので顔が随分変わっていて、最近の絵があまり好きではない。なんかおばさんみたいだ(笑)私はやっぱり昔の絵の方が好きだなあ。アラキ先生もね(笑)