GRJ日記

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火の鳥の実写

昭和何年の映画なんでしょうか。ナニ編だ?一番最初のあれ。ヤマタイ国やらクマソやらの勢力争いと、火の鳥の血で不老不死を得たい卑弥呼の思惑とか猿田彦とかあの話。

監督は市川崑で、出ているキャストの豪華な事豪華な事。一体これどこの超大作?という顔ぶれです。よくもまあこんなに集めたものです。主役は柳生但馬、ではなくて若山富三郎。悪役が仲代達也。江守徹林隆三に、女優も高峰三枝子大原麗子由美かおる。すごいでしょう。一人もわからない、という若い娘さんもいらっしゃるでしょうが。すごい顔ぶれなのよ。

あっという間に死んでしまって消える役の沖雅也のかっこよさに目を見開いた。沖雅也草刈正雄が並び立つなんてそうそう見られないハンサム共演よ。いやあ、かっこよかったわ草刈正雄。役柄がクールでニヒルで「別に、火の鳥の血なんか要らない。自分はただ弓を極めたいだけ」という気持ちで居る孤高の狩人。死に方も生き様もぴったりでした。

あの頃手塚先生がやけにやりたがっていた実写とアニメの合体部分がありまして、えーとね、バンパイヤとかですね。この映画だと、狼の群れとか、火の鳥とかが唐突にアニメになるんです。そこの部分がもうヘッタクソで、観ていて腹立った。なんであんな部分つくらないといけないの?いいよただ黙って実写化すれば。今なら単にCGなんでしょうけどあの頃だとアニメになるのかしら。いやしなくてもよかった。下手くそな特撮の方がまだマシだった。

あの当時にしては長い120分という映画で、実写の部分はそこそこ面白かったよ。今の沖雅也じゃないけど、ビックリするような人がチョイ役で出ていて、油断ならん。役柄が兵士A兵士B以外で、本当に無名の人っていないんじゃないか?って思うくらい。

今言った理由で「観て下さい!」とは決して申しません。豪華なキャストの共演を楽しみたいならジュリーの方の魔界転生を薦めるし。

火の鳥は大いなる存在ではあるけど絶対者、神様ではないんだよね。もっと自我があって自分の判断で動いている感じがする。気に入った人に肩入れしたりもするし。火の鳥自身も宇宙の大きな輪の一部である感じ。

でも、永遠に死なないで気の遠くなる時間、人の生き死にやもがき苦しみをただ観ているというのは、多分私らの想像できる精神状態ではないのだろう。樹齢千年の木の方がまだ、火の鳥の気持ちを理解できるんではないか。