GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

マジンガーZ infinity

観てきました。

まず最初に出てくるのはとにかく「面白かった!」てことです。

難癖つければ、どうやってドクターヘルたちが復活したのかがはっきりしない。したっけ?あと、多元宇宙や接するパラレルワールドだのを持ち出すのはマジンガーZの世界ではいかがなものか。その、「世界まるごとひとつそっくり取り替える」という、中学二年生が口走るようなことを、マジンガーZの舞台でもちだすのはどうかなあと思います。あくまで、敵の機械獣を倒すために超合金Zで作られたロボットで立ち向かう!ミネルバXはパートナー回路が組み込まれていたからマジンガーZにつき従うのだ!ドクターヘルの杖からは特殊電波が出てロボットを操ったり言うことをきかせたりしている!という、物理と科学の現実世界での話にすべきなんじゃないかなあ。そういう、時空がどうした異次元がどうしたの話はゲッターロボでは。最後の辺りの、「捕まってるグレートマジンガーと剣鉄也をキーにして」って具体的にどういうことなのか、リサちゃんがこの世界を救うためにやってたことは具体的に何なのか、ちゃんと言葉で説明してみせろ!なんか雰囲気でごまかしてるだろ!「多元宇宙」って言えば何とでもなると思ってないか!な部分がちょろちょろありましたけど。

でも、ドクターヘルたちの謎の復活は、「今度のドラゴンボールは、あのフリーザとの戦いだそうだ、と聞いた時同様のワクワク感を凌駕する新しい敵はそうそう生み出せない」ってことと同様だし、逆にそもそもマジンガーZの敵がドクターヘルやあしゅら男爵でなくてどうするの!なファンのための映画でもあるし、仕方ないのかな。私もそうだもんね。マジンガーZの新作映画だって!と聞いた瞬間にドクターヘルとあしゅら男爵の顔が空いっぱいに浮かびましたからな。

あちこちに細かいお約束がちりばめられており、ボスと博士たちの現代っ子には受け入れられないすべりまくりのギャグを微笑みながら観賞し、そんな中にもちゃんともりもり博士の遺影を博士たちが持ってたりしてホロリ来ました。

なにより、冒頭部のグレートと、再録音ながらも当時のテイストに合わせたオープニング(わたしゃ近頃の「ゼェ~ット!」て声が裏返るやつが嫌いなんですが、それじゃなくて、昔同様の「ゼット!」てびしっと叫ぶ言い方でとても嬉しかった)、後半のマジンガーZが持ってる武器を次々に使うシーン、ぐっと来た~。なんたってプールが割れてせり上がってくるマジンガーにホバーパイルダーでドッキングするシーン、そしてジェットスクランダー。ああもう、涙が出まくり倒した。しかしなぜあそこの『Zのテーマ』が歌入りじゃないの?再録音はしょうがないとしても、ちゃんと水木一郎の歌声を入れてよ!一番の不満はそこかも知れないな…

敵の機械獣も後から後から懐かし状態で「あっあれ、なんていったっけ知ってる見たことある、あの話、ドナウの話に出てきたアレ」でした。なんたってガラダK7だよねー。バトルシーンの熱さだけでもう充分オッケーです。

それまでツノつきあわせて敵対しあっていた人類全員の元気玉マジンガーZが勝つ、のはいかにもですが納得のいく決着のつけ方で、その後またぞろいがみあうというのもわかりますね。人類ってそういうもんだ。ドクターヘルが「人類の最大の弱点は多様性だ」と言ったのが意表を突かれて、また確かに、とうなずきました。人類がアリみたいな種族だったらずっと簡単に意思をひとつにして敵にも向かっていけるんだよね。勿論、そうなればよいというものでもない。

光子力や、シズマドライブや、人類に素晴らしい未来をもたらしてくれるものには必ず落とし穴がついてまわるのね。しょうがないのかしら。安全で安心で、かつ安価に暮らしを支えてくれるエネルギーは何かないのかしらね。やはり皆めいめい30分自転車を漕いで発電するしかないのか。

ところで

なんたってドクターヘルの声のジョセフジョースターが最高にかっこよかった!威厳があってカリスマがあって、ジョセフの時とまた全然違うんだ。独裁者の声。納得のいくかっこよさでした。

あと、ボスの億泰がとっても合っていた。そうそう、ボスって、デブではないんだよ。太っちょの声では合わないの。億泰の、すごみがききながらも愛嬌のある声がぴったりでした。それと、全然気づかなかったんですが、ブロッケン伯爵がエシディシだったのね。もちろん上手だった。エシディシも役によって全然違う声に聞こえるわ。

主人公の巻島さんは、もともとの甲児くん、えーと石丸博也、に似てる人をキャスティングしたらしいんですけど、「言われてみれば…そうなのか?」くらいだった。巻島さんの人はやっぱり、ばりばり主役よりはちょっと外れた位置にいる声の感じがした。もっとガツガツ暑苦しい主役の声の方がよかった気もするけど、風立ちぬの主役の声を聞いた瞬間の「なんだこの声」な悪い驚愕は無かったので別にいいです。

きっかわこうじのエンディングもね、結構気に入った。なんなら例の「見たか君は、マジンガーZ、聞いたか君は、マジンガーZ」を再度録音してくれて、あの透視図の上に流してくれてもよかったけど。でも、映画を視聴し終わった時の気持ちの色合いにちゃんと添った曲だったなと思うので。

いやーホント良かったよ。ありがとうと言いたい。見てよかった。安易に実写に飛びつかないで、このくらいに情熱を乗せたアニメをこそ作っていただきたい。日本のアニメは世界一なんだよ。誇りを持ってちょうだいね。