あなたの脳内MADにお使い下さい。
ミッシェル・ポルナレフの「真夜中の出来事」
原題は「A minuit, à midi」
静かな、柔らかい、それこそ真夜中のしじまを思わせる冒頭から入って、意味は日本人の私にはわかりませんが、ゆっくりやさしく繰り返される「ア ミ ヌイ」という言葉。
メロディーは同じ言葉が繰り返されるのと呼応するようにあまり変化はない。いや、ワンフレーズしかないのか?ただその美しく感動的で、どこか寂し気な旋律がさまざまなアレンジを纏って変化してゆく。
次第次第に盛り上がっていって、途中で劇的に爆発して歌い上げる。それはまさに真夜中であったのが、太陽が昇って白日のもとに陽光を浴びているかのような変化です。そうだ、旋律に変化はないのだな。でも、本当に、闇を脱ぎ去るみたいに転調し、ドラマチックになっていくのです。
その歌い上げ方の感動に、「これは、明日に掛ける橋みたいな内容の歌なのかな?あるいはマイウェイみたいな」と思っていたのですが、今回歌詞の内容がわかりました。
繰り返される言葉は「真夜中に」という意味で、
真夜中に、子供たちはねむっている
真夜中に、おまえはわたしのベッドで何をしているのか。
という出だしでした。これはやはり、セクシーな意味でしょうね?
続いて、
真夜中に、おまえは雨のしずくからおちてきた
真夜中に、わたしの人生に入って来た
真夜中に、おまえはわたしに晴天と雨をもたらす
(略)
真夜中に、わたしはおまえと密やかに結婚した
となるあたりから見ても、これはやはり、ウフフな感じのことを、しているのだと思われる。
でも、最後の盛り上がるところでは
真昼に、おまえはわたしの人生から出て行った
それから、わたしはあの夜が懐かしい
となるのです。
行ってしまったのか。これは別れの歌だったのか。
そう思って聴くとメロディーの美しさや、冒頭部のバイオリンのしみじみとした、眠る子供を見守るようなやさしさが、胸にしみます。
もしかしたらとんちんかんなこと言ってるかも知れませんがご勘弁を。
風来坊で、飄々として、風や雨のしずくみたいにひょいとベッドの中に入ってきて、主人公の心に晴れの空をもたらしてくれるような相手が、ふと最後に居なくなって、それ以来主人公はあの夜を懐かしんでいる、なんて感じで想像してください。
うわーん寂しいよ~
これはPⅤか、冗談設定でひとつ…
いい曲だなあ。ミッシェル・ポルナレフの、ちょっと寂しい感じがする曲はホント名曲ぞろいです。