GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

ヤマト編

突然ヤマト編と言われても。

火の鳥の話をした時には宇宙編について主に喋りました。あの話の壮大さ、遠大さ、無慈悲さは本当に宇宙や、時間というものの持つものと同じであった。

ネットで観ていると「牧村が鳥を食うシーンがトラウマ」「ナナがメタモルフォーゼするシーンがトラウマ」のどちらかをよく見かける。確かにどちらも記憶から消せないショッキングなシーンですが、私にとってのトラウマはなんたって隊長が惑星の重力に捕まって未来永劫惑星の周りを回る衛星になってしまうシーンだ。「未来永劫」という言葉を初めてここで知った気がする。なにひとつ怖いものは描いてないのにあんな恐ろしいシーンはありません。きっぱり。

ヤマト編は人間の小ささ、短い短い時間しか生きられない生き物であること、その中でどう生きるかだ、という主張をヤマトタケルの一生に重ねて語っていましたが、宇宙編みたいな無常な無情さはなく、悲しい最後ではあるけれどもまだ『本人は納得の上であろう』という救いがある。と思う。

で、中に出てくるクマソのお姫様が、ヒグマを一人で退治するような暴れん坊で見かけは絶世の美人でブラコンで(この兄さんも素敵だった。妹がブラコンになる気持ちに納得のいくかっこよさであった)ドSで、ヤマトタケルはどちらかというと理知や才気に勝り、火の鳥をてなづけるために笛を吹いたりする男なのだが、このドS姫が次第次第に彼に惹かれていく過程の描き方が良かったの。ちょっとずつちょっとずつ、気になって、好きだなんて認めるものか。でも気になる。思わず応援してしまう。そんな自分に驚く。そして最後に姫の方から彼を押し倒して抱きしめて、あなたは私を選んでこの土地の人間になるのだと命じ、「イヤだなんてあたし許さないわ」という。でも、やっぱりダメだ、と言う相手を無理やりキスで黙らせる。かっこいい~

そして彼は女に化けて姫の兄であるクマソの王を殺して(史実ですね)逃げる。泣きながら、兄の仇である愛する男を殺す誓いを立てる姫の顔がまたかっこいい。男前。

その時にね、ヤマトタケルが、「自分はカジカ(姫の名前)を愛している。クマソの王にも魅力を感じる。このままここの人間になってしまいたい。どうしたらいいと思う、火の鳥」と助言を求めると、火の鳥ヤマトタケルの故郷の方へ飛んでゆく。それを見て「クマソを倒してヤマトへ帰れということか」と打ち萎れながらそれに従うのです。

初めて読んだ子供の頃不思議だったね。どうしてこのままクマソに居て幸せになれと言わないのだろうか火の鳥。どうみてもその方がいいじゃないの。何故なの火の鳥

大人になって考えてみると、それはあなたの生き方ではない、みたいな、そこら辺のことがなんとなくわかる気もちらっとするのですが、でもやっぱり心の大部分では、クマソに永住して、ドS姫とそこそこ仲良くやっていけばよかったのにと思います。

最初に言ったように、ふたりは結局死んでしまうんだけど、まあでもふたり一緒に語り合いながら死んだわけで、過酷すぎる火の鳥の主人公たちの中では幸せな方だろう。

そしてまた、現代にこのマンガが描かれていたら、クマソの王とヤマトタケルでからみを描く人がきっといたであろうと思う。クマタケか。キノコみたいですね…

明日は一週間ぶりの休み~

打鍵しようと思います。ふふふ

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