GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

遠くで汽笛を聞きながら

あなたの脳内PVにお使いください。

アリスの「遠くで汽笛を聞きながら」

70年代フォークの名曲です。

とにかくあの辺りの、「始発電車」「夜汽車」「汽笛」「別れ」の雰囲気が大好きです。よしだたくろうの「いつか街で会ったなら」「あゝ青春」古井戸の「ステーションホテル」なども名曲です。駅から汽車に乗ったら、もう二度と帰らない、それまで住んでいたところを捨て去るのと同じ意味である。夢に破れ、愛に棄てられ、ひとりこの街から去ってゆくか、あるいはこの街の底で疲れ切って夢も見ずに眠るか。そういう世界ですね。

あの頃はそうそう車なんか使わない。金持ちのお坊ちゃんがパパに買ってもらったランチアストラトスを乗り回して時速150キロでぶっ飛ばしてる時に浮浪者を撥ねちゃって、それをヒッピーに目撃されてしまって強請られて、海辺の別荘をアジトに使われる羽目になって、連中はフーテン仲間を呼んでヒロポンパーティなんかやるわけだ。謎の呪文連発。

私はアリスの面々に思い入れは全くありませんが、この曲に関しては、作詞と作曲が別の人というのが信じられない。ふたりの人間が、とある高さのレベルで、感性とかセンスとか(同じか?)が全く一致していたんだと思う。すごいことです。そんな相手と共に音楽活動が出来たっていうのは人生の財産であろう。

誰か若い人がこの曲をカバーしていたのを聞きました。気持ちはよくわかる、歌い上げたくなる曲です。でも、オリジナルにはかなわない。それはやはり、この曲の場合は特になんですが、作った人間も作られた時代もとにかくまだ成長期で、なにも手に持っていない、その手を握りしめて歯を食いしばって、四畳半の部屋の小さな窓から見える空をただひとり見つめている、そういう背景込みでの曲であるからだと思います。生まれた時からスマホやネットがある環境では、この歌を真に理解し表現するのは難しいんではないか。

勿論、なんでもかんでも「ゆとりにはわかるまい」「苦労もしてないやつにわかるわけがない」とか老人が決めつけるのは間違っている。『生まれた時から現在に至るまで就職難』『たったひとつの椅子取りゲームの椅子を取り合う大変さ』はむしろ若い人の方が上ですし。ただ、この歌のテイストといいますか、泣きのエレキがもたらすノスタルジックさは、じじばばの方がしわしわの胸に沁み込むといいますか。何言ってるんでしょうか。

この曲は完全にPVを撮る体で想像して下さい。あなたの好きキャラは貧乏や孤独や青春が似合いますか。似合わなかったら他の人でやって下さい。

動画をはろうと思ったのですが最近歌ってるバージョンばかりで。あとは歌ってみたとか。

どうやらこれが昔のっぽいので、背景が廃線になった鉄道ですが、まあ聴いてみて。

沁みるネェ~~~