GRJ日記

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ミッシェル・ポルナレフ

ミッシェル・ポルナレフという人をご存知でしょうか。フランスのロック歌手、ポップス歌手です。

かなり昔、日本で「フレンチ・ポップス」というジャンルが大流行りしまして、この人の「シェリーに口づけ」という曲が大ヒットしたのです。今でもなおテレビCMやネットで耳にすることが多く、あなたも多分知っているでしょう。シルビー・バルタンの「あなたのとりこ」とこの曲は時を超えて老若男女問わず知っている曲だと思う。

で、何故か私の父親がミッシェル・ポルナレフのレコードを何枚も持っていた。私は幼稚園や小学校に上がったばかりの頃にミッシェル・ポルナレフを聴いて育ったのです。すべての洋楽の中で最も早く耳にしたのがこの人の曲だった。もしかすると日本の歌謡曲よりも先かも知れない。しかし何故私の父はミッシェル・ポルナレフをそんなに気に入ったのだろう。父は私が子供の頃(ですから、これらの曲を聴き始めてからそう経たないうち)に早死にしてしまったのですが、この人のどの辺が気に入ったのか訊いてみたかった。ただ父が「ロージーからの手紙」という曲が好きだったということだけは覚えている。あの頃も今も「そんなにいい曲かなあ?」と思いますが。ごめんねお父さん。

子供の時分の私が一番好きだったのは「ガラスの涙」という曲です。なんといってもメロディラインの美しさとピアノの音の、硬く冷たい美しさ。氷の世界で弾いてるみたいに聴こえる。歌詞は、恋人を崖から突き落とした男の話なんですが、とにかくメロディが綺麗。気持ちが弱ってる時に聴いたらもう泣き出すと思う。

あとは勿論大ヒットした「シェリーに口づけ」いい曲です!この曲で一番好きなのは、2番の冒頭の

    ぼくは きみのことは何も知らない

    名前も、年も

    でもなにも後悔しない

てところです。なんていうんですかね…相手の素性を一切知らないで、「ただひたすらこの人が好きだ」という実感を胸に抱き、目の前にいる相手の目だけを見つめている。その気持ちを疾走感あふれるあのメロディーに乗せて歌っている若々しさ。情熱。みんなみんなきみにあげる、すべてをかわいいきみにあげる。ああいいですねえ。転調するところも、ラストのコーラス(全部ご本人らしいです)の爆発感もどれも良い。

そして、「愛の願い」

これもホント好き。冒頭のピアノ、間奏のピアノの美しさにはもう、泣けてくる。本当にロマンチックで、切なく、キュンと来る。目の中に星が飛びそうです。犬の遠吠えみたいなとこも好き(笑)フランス語って、ひたむきな愛を囁くのに向いてるんだなあとつくづく思いました。これもCMなんかで使われてるからご存知の方もいると思う。いや、何回聴いてもぐっとくる。

無人島に持って行くレコードには、私の場合はミッシェル・ポルナレフを絶対入れますな。

とにかくミッシェル・ポルナレフの曲はどれも皆メロディがきれいでなんとも言えない趣があって、世界があって、そして不思議なんですが初めて聴いていたあの当時ですら「もう失ってしまったものを懐かしんでいる」ような気持ちを感じたのをはっきり覚えている。なんでしょうね。楽器の使い方なんでしょうか。声の色合い?メロディーライン自体の力?わかりませんが。

歌詞も難解なものがありましたが、決してムードだけとか独りよがりではなくて、曲調ときっちり合っていて、曲の世界をつくりあげる一要素にちゃんとなっていたと思う。愛の休日なんか特に。

   

というような子供時代を経ていたので、ジョジョを読んでいて「名乗らせていただこう。J=P・ポルナレフ」と言われた時には笑いました。「多分、あのポルナレフなんだろうなあ」と思った。

J=P・ポルナレフにぜひぜひミッシェル・ポルナレフの歌を歌って欲しい、とずっと思っていました。ロマンチックで切なくてきっと彼の声にぴったりだよ。

ミッシェル・ポルナレフはもう現在71歳だそうで、昨今の写真を見るとなんか内田裕也みたいな雰囲気です。声が衰えてないなら見かけがどうなろうと別にいいですけどね。どうなんでしょう。怖くて最近の声は聴いてないですが。

数年前の姉の誕生日に「懐かしいでしょ!」とミッシェル・ポルナレフのCDをプレゼントしましたが、自分用にまた買ってこようかな。