GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

沈まぬ太陽の中盤

オンチさんはしかし、何故こうも人がやりたがらない業務にばかり回されるのであろう。僻地を転々とまではまだ上層部のいやがらせだなと思いますが、遺族の接待係だの、遺族への補償係だの、あれも全部誰かが「オンチをひどい目に遭わせてやれ。ヒヒヒ」と言って決めていたんでしょうか。行く先々で人々からの罵声を浴びせられ、風邪を引いてゲボゲボ咳してるのに土下座させられ、あまりにもそればかり続くと「そもそもオンチさんの専門って何なの?」と思ってしまうのよ。いやあの風邪引いて土下座はちょっと、上川タカヤのSMショーに見えました。

そしてながしまとしゆきに匹敵するステキ上司、国見会長登場!映画ではへーちゃんでしたがこっちでは長塚きょうぞうでした。こちらもまたよし。清廉で潔くて俗にまみれてなくて綺麗な理想を一心に目指していて、人に対して一切の色眼鏡や差別意識を持たない。まるでイチジョーさんのよう。要するにあまり、現実に居そうにはない人です。

オンチの娘のジュンコさんが結婚相手を連れてくるんですが、その親があまりにも典型的な大阪商人(大阪の方すみません)典型的というよりはコント的と言った方がいいだろう。現実に居るのかこんな人というようなね。こってこて。「アカの娘なんか願い下げだ」とか言ってたのが新しい会長に見込まれて抜擢されると大喜びで結婚話すすめてきて、「披露宴には会長さん呼んでえな」とか言ってくる。カッとなったオンチの妻が怒って娘も怒って息子も怒って「結婚式は外国で二人だけでやる」とか言い出すと「なんちゅうこと言うのんや」とか言って泣きを入れてくる。コントとしか思えないでしょう。

その時、オンチ夫婦がそのコント夫婦を評して「面白い人たちだ」「悪い人じゃないわね」「あれならジュンコもなんとかやっていけるだろう」みたいなことを言う。その時に、さすがはさんざん煮え湯を飲まされ世界中をどつきまわされた夫婦だわと思ってから、そう言えばこの沈まぬ太陽の世界では、あのコント夫婦みたいな「決して善人とは言えないんだけど、根っからの悪人でもない、言わば世俗的な普通の人」というのは、ひょっとして初めてかしらと思いました。

他の、名前のある役の人は、理想に燃える良い人か、金と欲にまみれた悪人か、そのどちらかなのです。良い人はとにかく良い人。悪人はテッテ的に悪人。いい所ひとつもなし。悪人なんだけど魅力的とか、胸の内に抱える闇には共感できるとか同情できるとか、そういった点は一切なし。沈まぬ太陽は言うまでもない偉大な大作ですが、登場人物たちに関しては、ちょこっと、そういう…単純さというか、わかりやす過ぎるところ、があるかなーと思います。やまざきとよこ先生すみません。でも白いキョトーの財前ゴローは充分に魅力的な悪だったからな。こっちのぎょうてんシローがそれなのかも知れないが。時々オンチのことを理解しているようなことを言うこともあるし、国見会長の生き方に感銘をもっている感じもあるし、自分側の金まみれ連中を軽蔑してるところもあるからね。でもゴローに比べるとちょっと弱いな。

あ、途中で脱落していったくにむらじゅんが、オンチに「君に嫉妬していた」と告白して、最後の忠告として「政治家には気をつけろ、やつらは掛けたはしごを平気で外す」と言う。あのシーンはしびれた。かっこよかった。それまで本当に憎たらしく恐ろしい敵であったからこそ、あのシーンが良いのだ。

オンチが国見会長にスカウトされるところは本当に彼のために良かったねと思ってしまう。ときめくわ。やっとあなたのことを理解してくれる実力者と巡り会えたわね。会長室でひそかに何をしてるのかしら。最後のはともかく。

しかしなあ、国見とオンチの「悪を暴くぞ作戦」が、悪人たちに何もかも筒抜けなんである。もう、ダメよ、敵のスパイのいるところで「会長、ちょっとよろしいですか」「うん」あれやこれや机の上で広げてないで!

どうも正義側の連中は自分が思いもつかないせいか、悪人たちに対して手の内オープンすぎて観ていてイライラします。

イチジョーさんも出てきたよ!相変わらずこざっぱりしたいい男。やっぱイチジョーさんにはスーツがぴったりだね!

原作では最終巻はひたすら裏金ルートを暴く!な話で、正直おつむの悪い私には眠かったですが、こうしてドラマで見せてもらえると面白いですね。マンガで覚える政経とか、アニメでわかる歴史とかも一理あるんだな。

またずーっと仕事なんです。休めません。人がいないの。

頑張れるところまで頑張るよ。

あっでも今日の新聞の占いで「あなた自身があなたを追い詰めるので、もっと気楽に」と書いてあって、あーそうかもなと思いました。もっと気楽にね。そうだ。なるようになる。というか、なるようにしかならん。

いちゃいちゃしている男の話を頭の中でひねくり、たまに出来た暇に打鍵して自分を盛り上げていきマース。