GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

最近観たドラマと映画と

沈まぬ太陽

WOWOWの何周年記念かで作られた連続ドラマで、全20話らしい。その1話目を観ました。

冒頭部は例のジャンボ機墜落事故の前後から始まり、すでにオンチさんは不遇状態というのが一目でわかる。日航、ではなくて国民航空の華やかなパーティ場面と、123便がレーダーから消えて緊迫する羽田空港との対比、そして何か起こったと知って皆公衆電話に飛びついて連絡を取る記者たち。あの頃は携帯がないんだなあというのは、映画のクライマーズハイを観た時に一番に思ったことでしたが。その後一気に原作の冒頭部まで戻って話が始まります。1話ではオンチさんが組合の長にされ、無理やり押し付けられて渋ってたけどやるからにはと一心に打ちこんでゆくうちこの会社の歪み、頂点の人間だけが甘い汁を吸い底辺は薄給の上過労死寸前なピラミッド型の格差に気づいていき、なんとか是正しようとし始め、会社側もうるさいオンチをなんとかしようとし始めた辺りまでです。

丁寧にじっくり描かれていて良かった。やっぱりこの話をやるからには20話くらいを確保して、このくらいのスピードで描いていかなきゃだめなんだなと思った。2~3時間で全部やったら、正直ダイジェスト版とか早回しを見ているようになってしまう。

前にも言ったのですが上川タカヤさんて、私は正直あまりすごい役者という印象がなく、「誰それからなにかを引いた感じの役者」「何かが足りない誰それみたいな役者」のような言い方をしていました。でも、平きよもりのスズキ丸あたりから、あっこの人なかなかいい役者だ、と感じるようになり、今回のオンチさんを見て「うむ、オンチさんだ」と思いました。とても失礼な発言の数々すみません。

最初は親友で以後袂を分かち、最後まで戦う相手となる仰天、ではなくて行天四郎はわたべあつろう。ちょっとこの人、頭がでっかくて首と肩がキャシャリンなので、イメージがちょっと違いますが、でも昔よりいい役者になったね。「ハンサム俳優」を背負わなきゃいけなかった頃は大変そうだった。あと八馬役の板尾いつじがいい味出していた。映画の方の西村まさひこはどうも、個人的にあの人が出るととたんに舞台っぽくなるというか、現実感がなくなるので、板尾の方がリアルな感じはしました。

とにかく胃袋にこたえるドラマですが、ゆっくり観ていきたいと思います。

『ドリフト』

といっても外国の波乗り映画ではありません。日本の…なんだろうこれは。映画?Vシネ?

高校生の娘っ子が峠をかっとばす車に魅了され、自分も乗りたい!と思い立ち、中古車屋にやってきて「車ください!免許はこれから取ります!」から始まるお話。車大好き主人公、イヤイヤながら助手席に乗る親友、中古車屋の娘でメカニック、な3人がケンカしたり友情を深めたりしながら夜の峠を走っている。途中で腕のいいお姉さまタイプの女(とその手下)にぶっちぎられ、「中途半端な覚悟でちゃらちゃらしてるあんたらみたいなのが一番ムカつく」とか言われ、絶対勝ってやる、といきまく主人公、いくら練習してもうまくならなくて挙句車をぶつけ、メカニックには「今のあんたには乗られたくない。車が可哀想」と言われ3人の仲はバラバラに。そんな時中古車屋のおやじが「昔の、楽しくて乗ってたころの気持ちを思い出せ」的なアドバイスでいきなりふっきれた主人公、友情も復活してついでに勝っちゃった。ハッピーエンド。

あら、冒頭部を紹介しようと思ったらあらすじ全部書いちゃった。途中でビキニで海で意味もなくはしゃぐ3人とか、主人公役の子のプロモーションビデオっぽいです。なんていっても一番不満で不思議なのは、最初に車を買うとき「親のカード持ってきた」とか言ってましたが、中古車自体は親のカードで買えるかも知れませんが(それもどうかとは思いますが)それ以後、あんな猛烈に減ってゆくタイヤ代、ガソリン代、メカニック娘がいじくり倒していたチューン代は一体どうやって賄っているのか。最後のは車が好きな子の情熱に免じて中古車屋が目をつぶってくれてるのかも知れないが、どう考えても非現実的です。普通に軽自動車を買って普通のスピードで乗ってるだけで年間驚くようなお金がかかるのですよ。最後に「あれから2年、私たちは大人になった。でもあの夏の日は絶対忘れない」とかスーツ着て悦にいってましたが、働いて働いてお金貯めてそれでやっと峠をせめられるものでしょう。ふざけるなと言いたい。

全体にとても安い感じで、使える予算が100万円で、そのうちの半分は中古車屋の親父役のかざまとおるに払いましたみたいな映画でした。ただ主人公の子が乗ってるのがハチロクで、おっタクミ君じゃん、と思ってニヤリとした。可愛い女の子が運転とナビって、サユキちゃんとマコちゃんですね。そういうのそそられるよね。

でも乗った途端にドリフト出来るようになるのが嘘くさすぎる。いっそのこと、下手の横好き娘のドタバタ話で押し通した方が良かった気もする。「絶対勝つ!」と叫んでアクセル全開、わー下りのカーブをショートカットしちゃった「どんなもんだい!」的な。

でも頭文字Dの1巻だか2巻の巻末ドリフト教室で、「これが怖くて出来ない人は一生ドリフト出来ない」みたいなことが書いてあり、確かにそれで二分されるんだろうなと思ったことがあった。車が大好き、かっこよく乗りたい。そう思う人は山ほどいるけど、あるレベルに引いてある線を踏み越えられるか否かで、否の人は、車にお金を費やして峠なんかも行くけど、どうしてもあっち側には行けないのだろう。そのことを噛みしめながら他人のドリフトに声援を送ったりする。なかなか重いですな。

私は…ドリフトを見るたびに「タイヤが減っていく」とばかり思ってしまいます。ケチですみません。でも長い長い走り屋の歴史の中では、ドリフトの練習しまくったのにタイヤをケチって、そのせいで事故死した人もいると思うよ。

新しい仕事がすっごくつらいです。私は結構くよくよと悩むタイプで、いつまでも引き摺ります。そのせいで寝不足です。

でも、そういう人間にいくら「くよくよ考えないで」と言っても無理です。考えないでいられるものなら最初から考えやしません。とことんくよくよするしかないのです。あと他に心おどることを考えて気分を上げるとか。なのでくよくよしてる時の方が打鍵の回転が良い気もします。

くよくよと悩み、そして男同士の暑苦しい友情を妄想して頑張る。偉いぞ、頑張れ自分

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