GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

悪の教典

観ました。ネタバレありますのでご注意ください。

原作は読んでいません。

アニータはとある問題の多い高校の英語教師で、気さくで爽やかで生徒には人気がある。しかし、実は彼にはもうひとつの顔があった。どんな顔かは皆さんご想像の通りです。というあらすじ。

あ、アニータっていとうひであきのことです。

あと今回思ったのですがいとうひであきの目はバカリズムと似ている。仔犬のような目。

関係ないんですが今「どんな顔かは」を誤変換して「ドン中岡は」になったのでウケた。誰だそれ。

脱線していますが

原作は読んでいませんが、あの劇中歌はそもそも原作に出てくるのであろう。映画は紙面に書かれた小説と違って音と映像があり、それが物語を台無しにすることもありますが、この話では有効に働いていたと思います。レトロでセピアで白黒のフィルムと陰惨な内容を楽し気に歌う異国の巻き舌の歌声が、主人公が「いとも簡単に人を殺せる、良心というものが全くない、まるで物語の登場人物のよう」な感じを出すのに一役買っていました。

しかし今では男の裸体がサービスタイムになる時代なんだねえ。男のシリが懸垂で上下するのを見ながら、男の臭い取りのCMでやけにチクビを強調してたっけなあ、と思いました。こう、広げた手の指と指の間にちょうどチクビが入るようにして(略)

まあ後半は虐殺タイムですから、血を見るのがちょっと、という方には絶対お勧めできません。が、主人公は相手を苦しめて殺すのを楽しむ性格ではなく、単に自分にとって邪魔な奴を殺す人なので、殺され方が苦しそうでイヤというのはそめやしょうたくらいではないでしょうか。あとはほとんどライフル一発で撃ち殺されていた。ならいいというのでもないですが。彼にとっては命や人生を踏みにじって喜んでいるというよりは、ボーリングのピンを倒している感覚なんだろうなというのは伝わってきました。

しかし、ライフルって一回で撃てるのって2発じゃなかったっけ。ものすごい予備の弾を持って歩いてるのかしら。コンビニの袋でも足りないぞ。ずだ袋にぎゅうぎゅう詰め。大黒様状態。廊下の向こうから「おおきな ふくろを かたにかけ~」という歌が聴こえてきて「は、ハスミン?」どぱーん(銃声)笑えない…

しかし、殺人犯って、信じられないくらい体力あるし行動力あるよね。私が、「いろいろ知られてこのまま放っておくわけにいかない相手」とか「仕方なく殺しちゃった相手の死体」とかを前に突っ立ってるとしたら、この先の作業量を想像しただけでもう疲れて諦めちゃうと思うよ。その活力を他の事に活かせばいいのにと思う。真面目に。

殺戮タイムが始まって、何度か「もしかして、こいつの愛の力で倒せるのでは?」と思うことがあるのだが、その度にアニータのサイコパスパワーで返り討ちに遭うのだった。ダテに狂っちゃいない。

最後、2人だけ友人の遺体を身代わりにして生き残るんですが、なんでわざわざ自分の服着せるんだっけ。皆同じ制服じゃないの?何か違ったのかな。注意力散漫ですみません。せっかくのトリック部分を台無し鑑賞。主人公とその遺体の子が似た髪型だというのはわかったよ。

あとAEDに録音機能がついているのを初めて知った。勉強になった。知ってる方いましたか?心臓マッサージの赤いあれです。

最後、警察にしょっぴかれながら狂った振りをして笑っているアニータに「あいつにとっては新しいゲームの始まりにすぎない」と主人公は絶望していましたが、人をこれだけ殺したらちょっとその、この先はゲームもへちまもないんじゃないでしょうかね。安心していいと思うよ主人公。

というわけでまあ血しぶき量何リットルな映画でしたが、殺す側の気構えが上で言ったような感じなので、まだそんなでもなかったです。殺人場面に対しうわーって気持ちになる、という点では私は綾辻行人氏の『殺人鬼』って小説が一番キツかった。賛同下さる方もいらっしゃると思う。でも最後の種明かしにはすごくびっくりして、一種爽快なものさえ感じました。

私も書かせていただいたお友達の御本が完成して送ってもらいました!うー、すごい、すごい!暗い宇宙の中ほのぼのと明るい灯をともす小さな星雲のような御本です。機会のある方はぜひお手に取ってみてください。

拍手して下さった方、ありがとうございます!