GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

怪談百物語

随分前にブジテレビでやった連続ドラマです。連続とは言っても1話完結で、日本の有名な怪談を、独自の解釈や創作でもって膨らませています。随分前っていつだっけと思い調べたら2002年だって。リューキをやってた頃ですか。すんごい昔ですな。

竹中直人が、蘆谷道満の子孫と自称するへっぽこ陰陽師役で毎回出ている。貧乏で性格は俗っぽく幽霊も見え、各話のナビゲーター役です。

竹中直人は何年前でも竹中直人のままですが、各話に結構「おっ」とびっくりするような人がわかーい容姿で出ています。一番おっと思ったのは木村佳乃かな。若い若い。驚きの若さ。あと木村多江が「その他大勢」的に出ている。

上でも書きましたが誰もが知っている怪談を、そのまますんなりやることはせず、ちょっとひねってある。そのひねり加減が、原作のちょっと曖昧で弱いところを上手に補強してあったり、「わざとらしい、小賢しい、言い過ぎ」な印象で終わっていたり、要するに改善だったり改悪だったりしています。

私が一番怖かったのは姥捨て山かな。

あと、吉備津の釜

たまに見るパターンで、「何日何夜お札を貼って籠もっていなさい。決して外に出てはいけない」と坊さんに言われて「ナニナニ様~」と怨霊に呼び掛けられつつ必死で耐え、気が付くと朝の光が!助かった、と思って外に出るとまだ夜で騙されてとり殺されるやつ。あれの元祖は吉備津の釜でしょうか?惨たらしい死体とかが無くて、血の痕と髻だけが残されてるっていうの、怖いね!

ドラマではそのとり殺す正妻の富田靖子が、けなげで可憐で可哀想一辺倒ではなく、夫の愛人のサトエリに対する底意地の悪さ、慇懃で丁寧な態度の裏のねっちりした正妻然としたいやらしさみたいなものを出していて、確かに椎名桔平はイヤになるだろうなと思いました。だから富田靖子上手なんでしょうね。

最後に男も女も死んでしまった、というオチの話はこの吉備津の釜と、あと番町皿屋敷もですが、随分印象が違います。番町皿屋敷の方は仲良しカップル。あの世へ行く時も手を繋いで。吉備津の釜の方は、夫の首をぶん回して行きそうな(笑)

ところで番町皿屋敷ってこういう筋だっけ?ご主人様のためを思ってわざと皿を割って御手打ちになるお女中の話だっけ?違うよね?だってこれでは恨みがましく皿の枚数を数える必要がないもんね。

ところで、「雨月物語」と聞くと私はすぐに「ああ、男ふたりが義兄弟の契りを交わして約束を守るために片方が腹を切って千里を飛んでくる話ね」と思いますが、吉備津の釜雨月物語でしたね。あと蛇性の淫。これはちょっと、蛇が可哀想じゃない?と思うけどね。

あと浅茅が宿っていうのかな。さんざん家をあけた男が戻ってきたら妻が待っていてくれて、「すまなかった」と言って一緒に寝て、翌朝起きたらあばら家で奥さんはとっくに死んでいた、という話。なかなか余韻のある話ばかりです。やるな、上田秋成。私に誉められても困るでしょうが

幽霊とか魔物とか、人ならぬものが人に恋をする、という設定は心ひかれるところがありますね。大概が悲恋に終わりますが。そこら辺は昔の人は「人は人、そうでないものはそうでないものとして、存在する場所が違っている。決して結びついても幸福にはなれない」と弁えているのでしょう。現代っ子のネット住人はそんな弁えはなくて、相手が人でなかろうが幽霊だろうが刀だろうがマンジュウだろうが好き勝手カップルにしていますが。でも、幸せになってくれるのが一番だよね。

さすがにマンジュウとデキた主人公はいないかな。ふと立ち戻って考える。「お前のこの丸み、最高だぜ…!中身はなんだ?」「あっダメだったら」「白あんか…ふふっ。ペロリ」「いやぁっ」なんだこれ

マンジュウの絡みはともかくとして

自分にとって「一生こいつだけ」な相手が死んじゃったけど出て来てくれて、自分以外の人には全く見えなくて、自分とだけ話も出来るしアレも出来る、となったら、人はその状態を手放せるだろうか。親戚のもってくる結婚話を全て断り、友人知人の心配をよそに、ただ静かに微笑んで、誰にも見えないその相手と一緒にどこかへ遊びに行って、一緒にきれいなものを見て感動し、自分だけが食事をして帰って来る。2名で予約をとるか、1名で予約をとるかはその人の性格によるだろうけど。

そうやって月日を過ごす中で、「これは人間のあるべき姿ではない」と思うのだろうか。それとも「こいつが居るのなら、そして二度と手放さなくて済むのなら、他になにもいらない」と思うのだろうか。

どうなんでしょうね。と言いながら、死んでしまったあの人と残されたあの人の姿で考えてみる。

打鍵しています。進んでる。

そして昨日、風呂場でふと「あっ、こうしたらいいのでは」と思いついた途端に話がバーンと変わって「決定」と書かれたハンコがドーンとつかれました。今までモヤモヤしていたイメージが晴天の下に。やるぞ、と張り切って風呂に入った。

拍手して下さった方、ありがとうございます!

以下拍手とメールフォームの御礼です。

> Mさま

いらっしゃいませ!毎日暑いですね、お体の方大丈夫ですか?

ああ…思い切り首を縦に振ってくださいますか(笑)ねえ。私の大好きな作品を描かれるあの方が元気いっぱいで何かに夢中になっておられて、良かったな、と思う気持ちは確かに本当なのだけれども、でもやっぱり寂しいと思いますよね(笑)あの頃はあんなに楽しそうにこのジャンルをやっていて下さったのに、と、どうしても、どうーしてもー

勿論、日記が三か月、半年更新されなくて、どうしたんだろう、と気をもんでいるうちにある日行ってみたら「Not Found」になっているよりは、比較にならないくらいマシですけどね。そうだそうだ。うん、そうだ

うわー新盆ですか、お疲れ様です(腹の底から)どうするのが一番乗り切りやすいのか…自分にカツを入れまくり「やってやるぜ!」とねじり鉢巻きにたすき掛けで行くのがいいのか、それとも「激流を制するは静水」と呟いてすすすーすすすーと身を任せて気が付いたら終わってた的にした方がいいのか。

ご自分に合っていると思われる方法でどうぞ、なんとか、乗り切ってきて下さいね。くれぐれもご自愛ください。

> Kさま

いらっしゃいませ!ようこそおいでくださいました!

先ほど猛烈に張り切って返事をさせていただきましたが、お声掛け下さってありがとうございます!

こちらこそすごい素敵な作品の数々読ませていただけて嬉しいです。是非ぜひこれからも宜しくお願い申し上げます。