GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

野球狂の詩

漫画は読んでません。知ってるのはアニメだけ。なのでアニメに限って話をします。

みずしましんじ先生の野球漫画は、好きか嫌いかよりは、興味があるかないかで別れると思いますが

どんな人でもあのオープニングの「ニンニキニキニキ×4、テュッテュッテュッー ラララランララー」を聴くとワクワクしてくることでしょう。確信がある。

低迷しまくりのプロ野球チーム、東京メッツが今回のドラフトで指名したのはなんと、女子高校生ピッチャーの水原勇気であった。仰天するオーナーにブンヤさんたち。勿論、女性はプロ野球選手になれないという野球協約があるので、そこでおしまいの筈なのだが、メッツのピッチャーの岩田鉄五郎というおっさんがなんだか知らないが彼女にピッチャーになれなれと猛烈に食い下がる。最初は絶対拒否していた水原だったが、結局は海千山千おじさんの手練手管にやられて「じゃあ、やる」と言ってしまう。いや、でも、女は駄目なんでしょ?とこっちは思っているわけですが、岩田鉄五郎は無理やり彼女をオープン戦で投げさせる。だからダメなんでしょ?

しかし彼女が投げている姿を、プロ野球連盟の一番偉い人(これがまた片目アイパッチで一体どういう半生を送って来たのかと思う人相)がテレビで観ていて、その才能と客寄せ力にムムッとなって電話をかける。どこへか、というと東京メッツの監督のところで、「水原オッケー」の旨。最終的に、規約に「女は駄目。ただし、連盟が認めた者はその限りでない」て書き加えるそうです。なんだそりゃ。

すばらしいコントロールを持っているんだけれども、誰もが予想した通り、自分に向かって飛んでくるライナーを怖くて避けてしまう。全部ヒットになる。最後は恐怖を乗り越えて捕球するんだけど、「女の弱点を突くんや。がはははは」阪神の面々がまあゴロツキで笑いました。それに彼女も嘆いてたけど、飛んでくる球を避けてしまうこと以前に、ことごとく打たれることの方が重大だと思った。打たれなければ飛んでこないんだから。

ずぅーっと2軍にいる武藤という男が、最初「女ごときが」と思ってるんだけど、徐々に彼女の根性と才能に気づき、夢で王さだはるやえーと…だれだっけ…とにかくすごい打者を打ち取る彼女の姿をみて、「これだ!」とばかりに彼女にフォークの練習をしろとか、風呂に入ってる時でもボールを握れとかあれこれアドバイスする。でも武藤はトレードでカープに送られてしまう。やめてくださいと嘆く水原に、岩田鉄五郎が、「我々は人間ではない。お客に夢を売る商品にすぎない。要らなければ売って、欲しいものを買うだけだ」と言うんだけど、なんかすごく、「単なる女子供への説教でなく、このオヤジも自分のことをそういう風に弁えているんだなー」と思ったらしみじみした。それ以後、武藤と水原で作ろうとしていたドリームボールは岩田鉄五郎と作ることになり、周囲にはボーリングで遊び呆けてるように見せる大石内蔵助作戦や、「本当はドリームボールなんて存在しないのでは」と敵に思わせるための情報戦など、マウンド上でピッチャーがはるか上空に飛び上がったり高速回転したりボールが消えたりといったトンデモ魔球とは違うぜ、という意識を感じました。また、武藤と作っていたらどんなボールになっていたのかなあとも思う。武藤は多分ボーリングで手首を鍛え…なんてことは思いつかないだろうし、もっとこう、表現が難しいですが、正統派の決め球を考え出したかな。武藤はその後、完成したドリームボールを打ち崩すライバルとして戻って来る。かっこいいね。

とにかく観ていると、タブチとかカケフとかホシノとかタオとかコバとか、無論ノムさんやオウさんや、新人のエナツやナカムラノリヒロなんて名前が出て来て、昔の、お父さんが家に帰ってビール空けながら夢中になっていた頃の古き良き野球を感じる。昔のお父さんたちがどんなに思い入れを持って、自分の贔屓チームや贔屓の選手に肩入れして、一喜一憂して、興奮してのめり込んでいたかというね。今現在のプロ野球や、Jリーグとはちょっと違うね。温度と湿度が違う。私もね、ノムさん監督フルタキャッチャー、タカツがピッチャーの野球なら観たいよ(笑)

で…

水原編が終わると他のメンバーの話になる。一番有名なのが火浦健だろうか。北の狼南の虎。かっくい~。でも、あの前髪は切らないと。女はダメ、と同じくらいにダメな前髪だと思う。

それぞれ自分が主役の回があって、他の人が主役の回の時さりげなく出演しているのを観るドキドキ感って、なかなかいいですね。太陽にほえろ!みたいな感じ。

個人的には帯刀守というキャッチャーが好きです。ノンプロの建設会社で働いていたんだけど、水原が1位だった時に2位指名される。俺より先に指名された女てのは…と思って実力を測りに行く。最初は彼女の力量に気づかなくて「こんなチーム入らない」と思うんだけど、後で彼女の非凡さに気づいてやっぱり入ると言う。と書くとアホみたいですが、潔くて真っ直ぐで、キャッチャーとしての力があって、顔が高倉健みたいで(実写化したら是非お願いしたい。あの世で撮るしかないけど)山田太郎より純粋な感じがする(笑)

全体的に、チームメイトが「けっ。女が」「女風情が」みたいなものが無くて、「がんばれよ」と声をかけ、女だと思って容赦しないで鍛える方向に行ってくれるんで、嬉しかったです。

水原の声が、第一話目すごいヘタなんで、誰?と思ったら実写化で主演した木之内みどりが声をあてたらしい。2回目からは未来少年コナンのラナの声になりました。最初ほりえみつこかと思ったわ。OPのスキャットもいいけど、勇気のテーマも名曲だね。カラオケで歌うのは大変ですが。

水原勇気って、昔は「個性のない子だなあ」と思っていたのね。そりゃみずしましんじ先生の描く女といったら、やぁーまだの妹か、あぶさんの奥さんか、あとは美人、のパターンくらいしかないもんな、と思ったのですが、今見るとこれはこれで、今で言う「天然ボケ」タイプの子なんだろうな。大真面目。素直。必死。冗談にも本気で取り組む感じの。そう思ってみると可愛いよね。謎の髪型してますけどね。ドリームボール並の不思議な髪型。

他にも、大昔のアニメなんでなやごろうさんだの、初代のバカボンパパだの、なんとやまだやすおさんだのがぞろぞろ出ていて、眼福…の耳版はなんて言うんでしょう。耳福?です。

打鍵しています。先生が困ったことになるのに平気で、困るのは吾郎という。しょうがないけどね。それが吾郎なのだから。

拍手して下さった方、ありがとうございます!