GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

「花嫁」「あたたかい朝」

他に「はつ恋アルバム」も。

あ、好きな漫画の話です。

みやわき心太郎さんという方の作品。

絵柄は柔らかくて優しく、顔はきいちのぬりえとか、ベルばら以前の少女漫画な感じの、懐かしいレトロなイメージです。

でも体の線とか、動くことによって変化する線は非常にしっかりしていて、座っている姿だけでその女がどんな素性でどんな半生を送ってきたかが伝わってくるくらいの画力があります。顔の可愛らしさと体のリアルさがちょっとアンバランスに感じるくらい。

私が特に好きだったのは短編集のどっちかに乗っていた続き物で、道を隔てたアパートの一室にそれぞれ住んでいる男女が、少しずつ少しずつ懇意になってゆくシリーズです。テレビで欽ドンをやってるところといい点けてすぐ煙くて臭い石油ストーブといい銭湯デートといい、昭和枯れすすきが聞こえてきそうですが、そういった小物がリアルというのでなく、2人の心の描写が本当にリアルでした。

特に、徐々に間が近くなってきた頃、わざと「自分は別に、無理して恋人同士にならなくてもいいのだけど?」のような発言をし合って、相手の発言について「本当にそう思っているのか。ならいい、わかった」みたいな螺旋に入り込んでしまって、「割れるまで少しずつ高いところからコップを落としてみて、割れたところで「ああ やっぱり」と不信の胸を撫で下ろす」というような描写があって、鋭い…とショックを受けました。

あと、相手が自分を試すようなことばかり言う、と主人公が先輩に相談しにいくと、「それは愛すべき行為だ、愛するのは自分より優れた相手でなけりゃ駄目なんだからな。俺なら、これは俺を試しているな!と思ったら無茶苦茶抱きしめて接吻しちゃうぞ!」と笑いながら言うところで、うう~む先輩…!と思いました。

他にも、金持ちのお妾さんの女に恋をした高校生の話とか、年上の兄みたいな存在の人に恋をした年下の娘の話とか、真実、痛くて辛い話がありましたが、「あーしんどい読まなければよかった」とは絶対に思わない。それだけの描写力のある作品でした。

はつ恋アルバムは中学生同士のカップルの話で、男の方は背が低くて喧嘩っ早くて取り柄のないあばれはっちゃく、女の子の方は背が高く美人で頭もいいしスポーツ万能の生徒会長タイプ。ありますね時々こういう組み合わせね。

でも主人公が決して卑屈にならず、彼女の名誉と心を守るために濡れ衣を着せられようとも全力をあげて頑張る。その姿勢がとても好感が持てて、勇気がなくて屁理屈こねてるだけの野郎の何十倍もかっこよくて好きでした。彼女が彼に「他の子には目もくれないで、ずっと私だけ見ていて欲しいの」と言う言葉もすごく好きだった。ああいいねえ。青春だ。

みやわきさんの作品で一番有名なのはやっぱりザ・レイプマンなんだろか(笑)こっちはなんと申しましょうか、昼間は教師の顔、夜は金で仕事を請け負う男の話なんだが、仕事というのはまあソレです。あんなハートウォームな話を描いていたのに、一体これはどうしたこと。きいちのぬりえの顔で秘技スクリュードライバー。いれたまま腰を高速回転。

でもなんか、アレがすごい上手で、やられた女が改心したりスッキリしたりして、めでたしめでたし。世直しの一発。みたいなんでちょっと笑いました。いいのかそれで。

みやわきさんも知らないでいる間に亡くなっていた。びっくりした…残念です。

ジョジョどしどし打ってるよ。

あー、楽しい(腹の底から)今は花京院が恥ずかしくて悶絶している。

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