GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

孔雀王

でも好きだったのは大昔の頃のです。「でも」ってことはないですが、この漫画も未だに新シリーズをやってますからね。今はどんな展開になっているのか全く知らない。

主人公は孔雀という若いお坊さん。出生の事情がいろいろあり、潜在的にはものすごい技量を持つ退魔師なのだけれども、たまに下界に降りてくるとパフェは食いたいしきれいなお姉ちゃんには目移りするしパチンコの悪霊に取りつかれかけたりする生臭坊主です。

最初の頃は1話から数話で完結するシリーズもので、七人ミサキとか、芸能界や学校に巣食う魔物とか、苛められる側が徐々に膨れ上がっていく憎しみに身を任せ、的な話が時々あった。絵柄も初期はもっさりしてじっとりして、淫靡なシーン、陰惨なシーンが映えていた。すごい誉め方だな。でも本当、死人返りの術をもっている妻が、密かに自分の連れ子を抱いていた夫への復讐のため、その子を…という話なんか、なかなかエロくてグロかったです。「エログロ」という言葉はあまりいい印象を持っていませんが、立派な、力のある、エロくてグロい作品もあるのだ。

絵的に好きなのは阿修羅ちゃんが学校に行くことになって、尼さんの恰好だか制服だか(忘れた)を着て「似合うじゃないか」と大喜びの孔雀に「くじゃく、いやらしい!」と怒っているあの辺りまでです。細かいな。可愛かったなあ阿修羅。彼女は発火能力のあるちょっと日本語がたどたどしいカワイコちゃん。この子も複雑な生い立ちで力を背負わされてそれを利用されてひどい境遇にあったのだが、そこから救い出してくれた孔雀のことが大好き。終盤で悲惨な戦いになっても孔雀を信じていたっけ。

呪禁道の王仁丸も好きだった。女の人とけしからんことをしながら式神かなんか飛ばしてたっけか(笑)孔雀が甘ちゃんだと責め、詰りつつもなんだかんだいって力を認め本気でケンカしてくれるいい人。見た目はアルデバランが革ジャン着てサングラスかけてる感じ

ラストは孔雀がラスボスとの戦いから生きて帰ってくるんだけど(仲間一人一人のところに挨拶しに帰ってくるシーンがニクい)一切の能力を失っていて、のほほんとしたボンクラ坊主になってしまっていました、というパターンでしたが、素直に「ああ良かったねえ」と思いました。その気持ちは覚えている。念で人を吹っ飛ばしたり殺したり出来なくていいのだ、屋根の修理をしくじって落っこちて怪我なんかほどほどにしていればいいのだ。人間はそれでいいのだ。

絵柄は多少変わりましたけど、最初のシリーズはそれなりにちゃんと全体のトーンの統一を保ったまま完結したので、まあいいと思います。その後始まったシリーズはなんか「描きたくて描いてるのかなあ」と言いたくなるような雰囲気だった。陰惨さばかりが増していて。個人的な感想ですが。

夜叉烏や、小類人や、拳銃神などの連載ものも沢山描かれていますが、どれも始まったばかりの頃はものすごく面白くて、魅力的で、描きたくて力が余ってます!な印象を受けるんですが(絵は、もうあまり好きでないんだけれども、それを圧して)でも、どれもなんか途中から訳がわからなくなって「このラストに持っていきたくて描いてたの?」と思いながら首をひねって終わっていました。

孔雀王は二回、映画になったのだ。みかみひろしがやった方は観た。一作目の方。

そうそう、一作目、慈空(孔雀のお師匠さん)をおがたけんがやったんだよね。すごいね。おがたけんってぬらりひょんもやってたし、すでに大御所だったろうにそういう路線も平気で出るってのいいね。

しかし暑い。とろける。

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