GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

フローズン・ラヴァ 他2作

昔、徳間書店から出ていた「メディウム」というアンソロジー雑誌がありまして、怪奇と幻想をテーマとした漫画ばかり集めて載っていました。

私は夢幻紳士目当てで創刊号から買いましたが、他にも面白い作品が沢山あった。

その中の一つです。作者はいくたまきという方。

他に「ネオ・サヴァービア」「そして誰も…いなかった」の計3作描かれています。

序盤部分を紹介しますと、

「フローズン・ラヴァ」

少女が父親に連れられて、隣町の病院に入院している母親の見舞いに行って帰ってきた。父親はこの街で売っていない形の帽子を娘にかぶせ、街の連中とは口をきくなと言う。しかし父親が居なくなった隙に一人の青年が近づいてきて彼女に「お菓子をごちそうしてあげるから、食べなよ」と言い、無理やり食べさせようとする。父親が戻ってきて追い払い、「絶対にこの街の菓子を食べてはいけない」と言い渡す。

「ネオ・サヴァービア」

姉と弟のきょうだいは、とあるポスターを探している。街角のあちこちでボロボロになっている切れ端を見つけてははがして家に持ち帰り、少しずつ寄せ集めて復元しているのだ。徐々に一枚のポスターが出来てきて、そこには美しい女の顔と、カーニバルがやってくるという予告が見えてくる。だが女の片目の部分がまだ欠けている。

「そして誰も…いなかった」

主人公がふと気づくと見知らぬ暗いところに立っていて、誰かに「この中からどの道をゆくか選びなさい」と言われる。彼の前には笑っている男、黙っている男、泣いている女、上り階段、下り階段、果ての見えない直進などがあらわれる。どれも選ばないでいると「ではもうこれしか残っていません。これですね?」と言われ、主人公は焦って「道って言ったって、あれはただの…」と言いかけたところで目が覚める。そうだ、これから気の合う仲間たちと別荘で遊ぶのだった。今のはただの夢だろう。

という具合です。

漫画は、我々の住んでいる現実世界を舞台にして進行するか、まるっと創作された別世界(他の惑星とか、他の次元とか、未来とか過去とか)で進行するかだと思いますが

この3本は今紹介したように、出てくる単語一つ一つは全てこの現実世界のものばかりです。見知らぬものを表す言葉はない。全部わかる。我々と同じ世界で我々と同じ感覚を持った人物が生活しているのだろうと推察できる。

しかし、なにか妙で、どこか少しおかしい。次第にそのおかしさがハッキリ、確実に大きくなっていく。それが生理的にジワジワ来る怖さです。ラストはどれも、冒頭部を読んでいる時には全く想像もつかないところへ連れていかれて、救いはなく暗闇の底にのまれてゆくような形で終わる。そして最後までいっても話の筋を「何がどうだからこれがああなって結局こうなった」とキチンと言葉で説明できないのですよ。普段そういう作品を見せられると「作者の一人よがり、雰囲気だけ作って喜んで責任取らずに終わるのか」「想像の余地と称して読む側に下駄を預けるのはいかがなものか。他者にきちんと説明する力がないだけのことだろう」と腹立たしく思うのだけれども、これらの作品に関しては、そういった種類の感想は持たなかった。もう十分にその世界に連れていかれて、その世界に魅了されるので。それだけの説得力のある作品であれば、「ちゃんとわかるように説明して」なんては思わないものなんですね。

あの不吉で禍々しく、でもやはり魅力的な物語から受けた衝撃は今も忘れられません。

メディウムで他に好きだったのは「サジタリオの弓」のシリーズ。よりうむし(別名増田晴彦)という人の、これは完全に別世界のファンタジーでしたが、サジタリオがとにかくかっこよくて好きだった。頭が鳥の姿をしている戦士で、冠羽をぷつって抜くとそれが光を放ち矢に変化して、弓で射るシーンにほれぼれしました。今気が付きましたがマジシャンヅレッドと同じですね。昔からあの姿が好きなのだった

救世主のウリンという娘の話も良かった。あの後どうなるんだろう。続きが読みたかったのになあ~!

ジョジョ打ってるよ。あとジャイアントロボも打ち始めました。炎天下の車の中で(笑)

あーでも北ゴロの続きも打ちたいんだよ!もっと言うとクーガも打ちたいんだ!困ったな

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