今日は
「ワイルドウェイ」
いやー、誰も知らないよ。絶対。自信ある。
原作が史村翔。作画が井上大助という人。
この人は手塚治虫先生の弟子だった人で、タッチが似ていますが小室孝太郎さんほどウリ二つ的に似てはいない。目がキラキラしていてくちびるがぷりっとしていて女の子っぽい優しい絵柄です。
その絵柄で、描いている内容は
警察組織からはみ出しまくり容疑者に暴力を振るって停職ばかりくらっている荒くれ刑事と、ずば抜けた頭脳と身体能力を持ち警察内部に組織の枠を飛び越えた私設軍を作ろうとするインテリ刑事二人が組んで事件に挑む。というような感じです
序盤、その荒くれ刑事の岩切という刑事だけ出ている間は「バイオレンス射殺ぶちのめす暴力暴力射殺」みたいな内容でしたが、途中でインテリの仙田が出てきてからはなにやら行方不明の猫を探すだの、女装して痴漢を逮捕するだののふんわりドタバタコメディが多くなっていきました。
それと
二人の友情が熱い。非常に熱い。仙田は一応女好きということになっていますし、岩切も序盤ではヒステリックな女性記者にいきなりキスして「まずいな」とかほざく面がありましたが、ちょっとなんかこう、ホモくさいムードすらある(笑)片方が撃たれて死にかかったりするともう片方が怒る怒る、ラストシーンは無言で見つめあって微笑んだりしてるし。あくまで友情なのだということはわかってますが、原作者が男の友情大好きですからね
そんなこんなでおちゃらけたり見つめあったりして事件を解決していた二人ですが、最後は深刻です。
仙田が尊敬している上司が今回の黒幕だと気づく岩切、信じない仙田。二人の仲は決裂。犯人の正体に気づいた人間たちが次々に消されていき、かつて岩切にかみついてばかりいた女記者も殺され、岩切も致命傷を負いながら単独戦いを挑むが、力尽きる。
岩切が死んだ時点でようやく自分の過ちに気づいた仙田は、自らの手で尊敬する上司を射殺する。
その後仙田は自暴自棄になり、合法的に死のうとしてレースに出て無茶苦茶な走り方をして挙げ句壁に突っ込んだりする。でも準レギュラーの小娘にビンタされて「そんなことして岩切さんが喜ぶと思ってるの」的説教をされ、岩切の残したライダースーツを着て、かつて二人でみた夢を目指してひとり歩き始める。で、エンド
まあその、どんな理由があったにせよ人一人射殺しておいて普通に仕事に復帰するって辺りがアレですね
もっともっとゆるいワイルド7なのかなあ。いや、超法規的特殊部隊のリアリティより、タイプの違う相棒同士の呼吸の方を描いた漫画なんでしょうね。
なんだかんだ言ってこの絵柄で描かれるマッチョなハンサムとキザなインテリのコンビネーションが私は好きでありました。
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