GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

万歳ハイウェイ

今日は

「万歳ハイウェイ」

原作がオサム氏、作画が守村大氏でモーニングで連載していたバイク漫画。

まあでもバイクは毎回出てくるけど、どちらかというと「バイクを愛する人々」の方に重きを置いていたかな。ってそれは当たり前か。バイク漫画といったってとにかくバイクだけしか出てこない、人間は全部シルエットとかいう漫画はないからな。あるいはトランスフォーマーのようにバイクに意思があって、元気に飛び出したりオイルでスリップしてしょんぼりしたり、新車のあの子に恋をしたり転んだ拍子にカエルがエンジンタンクにくっついて喋るようになったりする漫画とか。とのさまバイク、あまバイク、バイクにいろいろあるけれどパパヤ

すみません。

この話の主人公は五郎という中年男です。彼がやっているバイク屋の名前はモトショップゴロ―。口ひげを生やしていて中肉中背、とにかく助平で女と見れば口説いて、あわよくば一発とばかりに迫る。でもバイクをいじったり操縦する腕前は超一流。

たった一人の店員はサブといって朴訥で真面目で涙もろく純情、バイク修理の腕は確か。近くの喫茶店の超カワイ子ちゃんと相思相愛。

まあこんな感じの男を中心にしたいろいろな男女のいろんな話、というようなシリーズです。一話完結。

課長島耕作みたいに主人公が栄転したり左遷されたり離婚したり恋人ができたりといった時間経過による変化はほぼありません。準レギュラーも数人いますがとにかく「ゴローさんは助平でイカす中年」だけであの結構な巻数をやりきりました。島耕作よりはサザエさんですね。

まあいろんな女の子が出てきました。わがままなのや高飛車なのもいて、まあ大概ゴローさんにぴしゃっとやられたり、実際にヤラレたり(笑)していました

とにかく、そんなに読後感の悪い子は居なかったように思う。本宮ひろ志の漫画とかに出てくるでしょう、男を見下してコケにしてみたいなのが。ああいう胸くそ悪いばっちい印象が残らないのは、作者さんの女の子に対する視線や姿勢のゆえだと思う。て言うと本宮ひろ志は何なんだってことになりますが

最初の頃はなんとなく時代を反映していて、作者さんも若いし、キャラクターも絵もまだきっちり決まってなくて、いろんなことやってやるぜ!な青いロックな感じでした。サブちゃんもまともな等身だったし。いつの頃からか、絵柄性格行動その他がアニメの設定資料集みたいに「怒ってる時・楽しい時・助平なことを考えてる時、その他」がきちんと決まって、ゴローさんとの対比でサブがちんちくりんのチビすけで顔もすっかり三枚目で固定した頃から、その初期の猛々しさ、どきどきざわざわ感がなくなり、同時に安定し地面に足がつきスムーズに走り出した感じがします。いいとか悪いとかではないですが

でも、ゴローさんは魅力的でした。自由気ままだけれども決して人生の達人ではなく、別れた女に未練はタラタラだし寂しがり屋だし損こいてばっかりだし。しょぼくれた姿も、上半身ハダカでバイクすっとばしている姿もとても素敵でした。

最後はどこぞへ行ったきり帰ってこなくなって行方不明のまま。サブが中年になって、五郎みたいに浮気もののフータラ野郎になっているというオチでした。

ちょっと寂しくてスッキリしててあの作品にふさわしいラストだったと思います。

そうそう!忘れられない話があった。恋人と二人でツーリング中に、自分のバイクのブレーキがきかなくなって、なんとか停めてやろうとした恋人が事故って死んだ女の子が居て、彼を死なせたバイクなんか大嫌い!と言う。それに対してサブちゃんが

「バイクは点検してやって調子をみてやっていれば、突然壊れたり動かなくなったりはしません。突然ブレーキがきかなくなったのはちゃんとみていなかったからです。

あなたの恋人が死んだのはバイクのせいじゃありません。あなたのせいです」

と泣きながら言いのめす話があって、読んでいて自分非常に衝撃を受けた。

考えてみたら機械やそれに類するものって、壊れるのには必ず蓄積した問題があるのだ。彼らは我慢強くなんとかしてくれているので気付かないが、もう耐え切れなくなって壊れる。その前触れというものは必ずある。人間である我々はその前触れに気付いてやらなければいけないのだ。

ということをですね、なんかやたらはっきり、しっかり、身をもって実感したのでありました。

読んでいてバイクに乗りたくなって、なんと自転車に乗れない自分が中古の原付を買って練習して乗れるようになりました。懐かしい。

いつからかずっと乗っていませんが、今でも原付に乗って走る楽しさを思い出すと、一緒にあの漫画の爽快さ、自由さを思い出します。

拍手して下さった方、ありがとうございました!

〉紋○○様

コメントありがとうございます。あなたもそうでしたか、あのマンガ読むと絶対バイクに乗ってみたくなりますよね!賛同いただけて嬉しいです。

天気のいい休日に原付でぶぶぶぶと走って海まで行ったことがあり、本当に楽しかったです。あの楽しさはもう二度と味わえないものだなと思います。たとえ同じことを今やってもだめなんだと思う。でも、そのことは悲しくはなくて、あの時は本当に楽しかったなとニコニコして思い出す感じなのです。その気分が、あのマンガから受けるものととても似ているのです。五郎さんはどっか行ってもう二度と戻ってこないだろう。でも五郎さんのめちゃくちゃで面白い話を読んで笑っていた頃のことを忘れないから、それでいいのだ、て感じです。

長くなった上によくわからないこと言ってますが、一言ありがとうございました(笑)