GRJ日記

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寄生獣

今日は

寄生獣

岩明均先生がアフタヌーンに連載した漫画です。

ある日どこかの誰かがこのままでは人間のせいで地球の生命がおびやかされてしまう、皆の未来を守らねば、と思う。そして地球上のあちこちに、人間の脳を食って体内に潜り込み、その人間の外見を纏いながら他の人間を食っていく生命体がばらまかれる。

ごく平均的な男子高校生であった主人公の新一のところにもその生物がきて、体内に潜り込まれるが、幸いにして脳を食われることはなく、右手だけを奪われるにとどまる。その生命体は己の意思を持ち、新一の右手を自由に変形させ、武装化させることが出来るし、寄生されている新一は驚くべき身体能力と、危機に際して冷静で居られる精神状態を手に入れる。そうしているうちに全身がのっとられてしまっている言わば完全体である敵と戦うことになり、新一は次第に強くなってゆくが、だんだん身近な人間も戦いに巻き込まれてゆく

という話です。

何より人が惨殺されるシーンが容赦ないので、血を見るのが苦手な人にはきついですが、話が大変によく練られていて、無理な展開がなく、偶然に頼ることがない。打ち切りや大人の事情だので横槍が入らなくて、本当に良かったと思う作品です。

この話はよく「現代のデビルマン」という言い方をされていました。『超生命体に体を乗っ取られて人でなくなる者とあくまで人として有り続ける者の戦い』と言ってみると確かに似ていますが、新一に「ミギー」と名付けられたその生命体の個性と、新一との関係の描かれ方によって、デビルマンに似てる漫画という印象は私は全く持ちませんでした。むしろ、うしおととらに似ている。というか「最初は敵同士で次第に理解しあい結びついてゆく二人」の漫画ですね。そういう作品はどのくらいあるんでしょうね。結構ありそうだな。鬼神童子ZENKIもそうか。金色のガッシュは…敵ではないが。よそよそしいくらいか。

そういう関係の二人は最後には必ず離れることになりますね。仕方がない。両者は非常事態で出会ったわけで、それが終われば人間の主人公は人間としての生活に戻るのである。そして自分の力だけで生きていかなければならない。

この話での新一とミギーもそうなのですが…

ラストがねえ。いいんだよ。

もう今までのように話し合ったり協力しあったりすることはない。でも、感知できない程深いところで繋がっている。一緒に敵と戦ったあの日々と何も変わってはいないくらいに。

それをはっきりと心に刻んで、新一が仰向けになって空を仰いで終わり。寂しいけど、すがすがしくて、前向きで、いい終わりです。

うしおや清麿たちの、別れの悲しみに暮れる顔と明日を向いて一歩踏み出す顔を並べて見てみたいな。

自分らの子孫を残すことは出来ず、ただ命のある限りひたすら人間を食い殺すために存在する生命体に、共感してその人殺しを手助けする人間もいました。

私は子供の頃「人間のせいで絶滅した種がどれだけいることやら。人間てほんとろくな生き物じゃないよ。人間がいない方が地球のためになるよねきっと」と思っていました。でもそれは、人間が考えることではない。人間の分際でそんなことをほざいてはいかん。人間はブタ肉や野菜を食べて地球を汚したりきれいにしたりして、他の人間を助けたり足を引っ張ったりして、一生を過ごすほかはないのだ。

そのことをはっきりイメージで言ってもらった作品のような気がします。

ジョジョ、進んでる。

ほとんどラスト。もうちょっと。

ステキカットの人のことを書いていてなんかホロリときた。

ジョースターさん水がそこまで来ました」

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