GRJ日記

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スーパードクターK

今日は

「スーパードクターK」

真船一雄先生が週刊少年マガジンで連載した医療漫画です。

筋骨隆々の体にマントをはおっていて眼光鋭く、名前はK。流れ者の外科医。

大病院だのエリート医師だのには軽蔑されているし、人間兵器を作り出そうとしている軍事国家などには良からぬ協力を求められたりする。しかし彼は代々受け継いできた天才的な医術と情熱をもって人々を治すのだ。

最後の部分以外はどうにもブラックジャックだし、キャラはどこから見ても北斗の拳です。

最初はなんだろうなーと思ったね。だってこれどう見てもケンシロウじゃん。すっごい似た話をブラックジャックで読んだし。Kと敵対するTETSUというライバルキャラはドクターキリコといっしょだし。ついでに初期の敵だった真田志郎って人は花京院にそっくりだし。とにかく「どこかで見たことのある」部分のやたら多い漫画でした。

でも、いつしかこの作品ならではの世界が少しずつ作られていきました。それにはやはり高品さんの存在が欠かせないと思う。

彼は新米医者で、Kのようなすごい技術は持っていない、平凡で明るくてお調子者で、まだまだ頼りないけれども、医師として誠実であり精一杯人の命を救おうと努力する人間である。そんな彼が、Kを尊敬しKのように人を救いたいと思いながら、少しずつ成長してゆく。その彼の成長がそのまま、この作品の成長でもあるのだと思います。

最後には、病に倒れたKが自分の手術を高品を指名してやってもらうまでになる。そんな存在は、ほかの作品には居ません。

最後の終わり方が好きだったなあ。Kは、おそらく、ガンのために死んでしまうんだけど、そのずっと後になって壮年になりすっかりベテランの医師になった高品の前に、かつてのKとそっくりな、しかしちょっとどこか違う男が現れて、名を尋ねられて「Kだ」と名乗る。無論同じKではないんだけど、彼がかつてそうであったように同じ魂や同じ信念を受け継いでゆく存在がいるという、この物語の最後にふさわしい終わり方であったなと思います。

この男の正体についてはっきりさせないまま終わるのがいいんだよね。高品が泣きながら「また会えたんだ」と喜ぶのですが、そうなのだ。彼はこの時代のKなのだ。それでいいんだ、良かったね高品さん。私も嬉しいよと声をかけたい気分で、気持ちのよい余韻があって、良かったです。

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