GRJ日記

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三平くん

目下アニメの釣りキチ三平を観ています。
人物の体型とか、母親役の人がやたらと和服を着ていて老けてる感じ、中年の恰幅のいいおやじの描き方を観ていて、「みずしましんじの絵に似てるなあ」と思い、てっきりどっちかがどっちかのアシスタントなのかな、なんて思ったのですが、別にそういうことはなかった。でも時々すごく似てる。
私は釣りキチ三平の原作を読んだことがなく、大昔に作られたこのアニメも観たことがありませんでした。知っていることは日本人誰もが知っている程度のことです。小学校高学年くらいで、東北の山奥に住んでいて、性格は純朴で物怖じせず素直。釣りに関しては大人顔負けの腕前。じいさんが居て釣りの達人。その子があちこちの池やら沼やら海やらでいろんな人と対決したりしなかったりして大物の魚を釣り上げる。
大体こんな感じ。
じいさんが一平、孫が三平ときたら「オヤジの名前は二平だろう」というやつ、私もてっきりそう思っていたのですが違いました。そして、ちゃんと読んだこともないまま「多分オヤジは出てこないんだろうな。それは単に、釣りの達人の祖父、天性の才能を持つ孫、という図式の上で父親の存在が要らないからで、空条貞夫的な意味合いで出てこないんだろうな」と勝手に想像していたのです。そうしたらそれははっきり違っていて、ちゃんと話の中に出てくるそうだ。意外です。ついでに、名前は二平ではなくて「平(たいら)」でした。どれだけ平が好きな一家なんだろうか。
もうひとつよく言われるのは「こいつが学校へ行ってるところを見た事が無い」というネタです。確かにな、と思っていましたが今回ウィキ先生を眺めていたら、原作者がちゃんと「三平の学校シーンなんて描いても面白くもないから描かなかった」と言っていたのね。感動しました。ちゃんと納得づくで描かなかったんだなって。
平成になってから「その後の三平を描いてください」という企画だかお願いコーナーだかがあり、それに対して原作者は「サラリーマンになって満員電車で通勤して疲れ果てて一杯ひっかけて、休みの日に気晴らしに釣りに行くような三平を読みたいですか?」って言って、永遠の小学生の三平漫画を描いたそうです。わかってるね。時々、「その後の▲▲を見たい」的な企画がありますけど、私は見たくない、まさにその矢口先生の理屈で。三平がどんな大人になるのか、なったのか、は読者が勝手に想像すればよいのだ。したければ。原作者に求めてはいけないし、求めるべきではないし、求めたくはない。


準レギュラーに鮎川魚紳という人が出てくる。かっこいい顔をしていて、頭脳明晰で、ケンカも強い。サングラスをかけている。頬に傷がある。典型的なクールガイ、ハンサムガイ、なわけですが、そのサングラスと傷が「二枚目のアイコン」ではなくて、ちゃんと謂れのあるものでした。魚紳って名前も最初はウケて、「息子にこんな名前付ける親って一体」と笑いましたが、それにも解答があった。とにかく、この漫画家さんは全部のものにちゃんと背景と理由がある人なんだろうね。
で、魚紳さんは弁護士免許も持っててフェンシングの名手でもある。ちょっとキャラクター盛り過ぎの気はあるがまあカッコイイ。で、この人が三平のことをすごく可愛がってくれる。久々に会った時には三平が「魚紳さんじゃねえか、うんわー久し振りだなあ」と言って思い切り飛びついて抱き付く。三平を連れて馴染みの釣り場に行くと親父から「おお魚紳、誰を連れてきたんだ。まさか恋人か?」と訊かれて、「ああ、そのようなものかな」と返事をする。
時代を先取りだね。
世が世なら魚三とかのジャンルがあってもいい筈。
それだけではない。一平じいちゃんと三平もあるかも知れない。と思って試しに検索したら…
ありました。ええ。この世には誰もやっていないカップリングというのはないのかも知れない。宇宙の深淵をみた思いでした。