GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

自首とかひがしやまとか跡継ぎとか

よく、刑事ドラマで、復讐のためや、あるいは誰かのためにどうしても大金が必要、悪人に弱みを握られて仕方なく犯罪の片棒を担いだり、要するに同情の余地のある背景の人が犯罪者ということがあります。
その人は犯罪をやっちゃった後で自首しようと思う。自分がしたことは悪いことだと思っているから。で、そのことを、共犯者に向かって言うのです。罪の重さに耐えきれない。あるいは、もう復讐は果たしたから満足した。誰それが助かったから安心した。だから「自首して罪を償う。お前のことは決して言わない」と言う。
しかし、それを許してくれる共犯者(どちらかというと主犯)ではなく、背を向けたところで頭をバールのようなもので殴ってきたり、首に縄を巻いてぎゅーと締め上げたり、密談していた高い場所から突き落としたりする。
そういうドラマを見るたびに思うのですが、どうして共犯者(どちらかというと主犯)に打ち明けるのだろうか。打ち明けられた相手が、「そうか。わかった」と言って納得するかどうか、ちょっと考えただけでわかるだろうに。なにしろ一緒に犯罪行為をおこなったんだから。その際計画を嬉々として立てている様子や、ここの見張りは邪魔だから殺してしまおうとケロリと言うとか、相手の残虐さや用意周到さは誰よりも身近で見ている筈なのです。それなのになぜ。やっぱり、「やむを得ず、仕方なく」犯罪者になる人は、人を見る目がないのかも知れない。その点では相手の方がよほど「こいつは自首するとか言い出すだろうな。その前に黙らせよう」とかわかっている。
もし、「自首したい。でも、こいつにそんな気持ちがあることが気付かれたらこいつは俺を殺すだろう」とわかっているなら、自信満々であくどい顔して「バカなやつらは死んで当然だ。おいお前、自首するなんて言い出すんじゃねえぞがっはっは」くらい言って演技して、その後おもむろに自首して全部喋ればいい。何故素直に自分の意思を喋るのか。しかもひとけのない暗い場所で。「殺していいよ。後始末頑張ってね」と言ってるようなものではないか。やっぱり自分の命を守るためには頭を使わないと。
たまには、話の筋もクライマックスも崖の上での自白も全部無視して、演技して自首して終わりという結末のことがあってもいいのではないか。


関係ないですがお客さんの家で録画した「刑事七人」を流していて、何ということもなく見ていたら話の最後で吉田こうたろうとひがしやまが「事件はまだ終わっていないかも知れない」とひそひそ話をしている。そこを望遠カメラが狙っていてシャッター音が響く、といったシーンがありました。
私は観ていなかったけど吉田こうたろうっておじさまたちの愛のドラマで話題になったので、なんか、「吉田こうたろうとひがしやま、密会!」とかのスクープ写真を撮られてる感じがしました。
ひがしやまはどのくらいか前から、必殺シリーズの、藤田まことのあとをついだ形で八丁堀の旦那を演じています。最初は「若すぎる。顔が良すぎる。二枚目がやる役じゃない。藤田まことの後任は荷が重すぎる」と思っていました。その後も毎年必殺に出て、昼行燈でスゴ腕で冷酷なまでに冷徹、の辺りを頑張って演じていた。毎年観て、そのたびにひがしやま頑張ってるなあ、とは思うんですが、どうしても、やっぱり、「若いハンサムのやる役じゃない」と思ってしまいます。この人はもう決して若いハンサムのカテゴリには入らないだろうけど、何年経ってもそう思う。
でも「山桜」のひがしやまはとても良かった。ほとんどセリフがなく、目つきや表情や、座っている姿だけで、この男がどういう信念、どういう信条で生きてきたのかが十分伝わってきました。もちろんハンサムはハンサムなんだけど、演じている間にいつもの「若いハンサムが頑張ってる」を意識したことはなかった。あれを観ると、ひがしやまは決して、じゃにーずが俳優もやってるという枠の人ではないんだなと思う。でも、ちゃんとした俳優の力を持っているなら、藤田まことのあとがまになれるってわけじゃないんだな。
前に、まつやまけんいちはどんな役でもやれるなと思ったことがあったけど、でもまつやまけんいちなら藤田まことのあとがまになれるかと言われたらなれないでしょうからね。もちろん、全然違う形、自分なりの中村モンドでいいのならやれるんだろうけど、それではあとがまとは言わないからな。
大昔、天才バカボンのおやじの声を演じていた方がお亡くなりになって、別の方が後を継ぎましたが、「別の人だ」とわかるんだけど、「まさにあの、バカボンのおやじ」はちゃんと引き継いでいるんですよ。そういうやつ。あと、刑事コロンボ。最初に声をあててた方が亡くなって、他の方が後を継いだんですが、これまた以下同文。どちらもうなるような再現度であり、でも別の人であり、引き継ぎ度数は100点満点であった。
声だけなら、そういうことが可能なのかもしれないね。「藤田まこと中村主水」では、さすがに情報量が多すぎるのだろう。

それからまた関係のない話ですが

大工さんの息子が「自分も大工になる」魚屋さんの息子が「自分も魚屋になる」農業の牧場の新聞記者の医者の息子が自分も父と同じ職に就く、と言うと、「お父さんは嬉しいだろうねえ」「ちゃんと父の背中を見て育ってきたんだね」「頼もしいね」と言われる。芸能人の子供だけが父と同じ職業を選ぶと「七光り」「身の程知らず」「楽に一人前になれると思って根性が甘い」「親も甘い」と言われる。中には本当に、芸能人としての能力がある子供が居て、それはまあちゃんと大成しますけど、芸能人だけは親と同じ仕事を選ぶと罵られるんだなあと思ったわけでした。それだけ。他にもあるかな?代議士とか?ヤクザとか?