GRJ日記

サイトの日記代わりです。やや古いマンガやや古いアニメやや古い特撮(略)大好き。

予言

ネタバレします。
ちゃんと観てはいないのですが、恐怖新聞というマンガを元にして作った映画だそうです。大分昔の作品で、のりピーなどが出ている。主人公はみかみひろし。
恐怖新聞の方は、とある中学生だか高校生だかのもとに毎夜不気味な新聞が届けられ、そこには明日起こる不吉な出来事が載っていて、読むと寿命が100日分縮む。どんなに読むまいとしても強引に届けられてイヤでも目に紙面が映ってしまう。というもので、
映画の方では、みかみひろしが夜公衆電話に入っていてふと見るとガラスに新聞が貼り付いていて、ひどく不吉な紙面にドキリとする。外に出るとその新聞に載っていたように最愛の一人娘がトラックに轢かれて死ぬ。新聞が見えた彼は既に新聞の呪いの輪に入っていたらしく、気が付くと娘が死ぬ寸前の場面へと何度でも引き戻されるようになっていた。その度に彼は懸命に娘を助けようとするがどうしてもそれは叶わず、娘の代わりに妻が死ぬことになったり、妻と娘両方が死ぬはめになったりする。最後に彼は自分の命を捨てて二人を助け、ようやく安堵して目を閉じるのであった。彼は知らなかったが、助かった娘がふと見上げると、空中をひらひら飛ぶ新聞が見えているのであった(今度は娘が同じ境遇に陥ることになった)
のような話で、原作の方がオカルトばりばりなのに比べると映画の方はホラーとかループものとか都市伝説とかの方にシフトしている感じ。
で、私はちゃんと観ていないので映画の出来などについては何も言いませんが、「もっとも戻りたくない場面に戻り、何も変えられず同じ思いを繰り返す」というのは、きつい。と思いながら誰かに似てるなと思って、ディアボロか、と思いました。あっちは「きついわ」なんて言ってられるものではないですが。こちらの主人公が、自分の死がようやく未来を変えられる代償であるのと比べると本当に救いがない。そしてまたディアボロは、自分以外に「失って、自分のこと以上に辛く悲しい」なんて対象はないわけですからね。もし、ディアボロにそんな対象が居たら、案外、「予言」の主人公と同じ目に遭ってたりしたかも知れない。まあそんな人だったらそもそもジョルノ親分にそんな目に遭わされるようなことにはならなかっただろうか。
でも、聖書にもありますし、鬼子母神の話にもありますけど、どんな悪人でも、誰かを心から愛するということは、しますからね。むしろ、中途半端な凡人よりずっと強く、吹っ切れた愛し方をしたりする。愛した対象以外がどれだけ不幸になろうと構わない愛し方てのは、本当に愛しているのではないのかも知れないが、少なくとも、その相手の幸せを願い、大事に思う、という意味でなら、愛する心というのは、どんな悪人でも持てるのであろう。それもまた不思議なことであり、善悪ってそう簡単なもんじゃないなと思わせられる。誰かを心から愛している、その者のためなら自分が死んでも構わない悪人。その悪人が死んだらやっぱり地獄へ行くのか。うーん、不思議な感じがする。
そしてまたディアボロが、たとえば一人娘だけは心から愛していて大事にしている人で、そのほかの対象に対しては無慈悲、残虐、冷血な男、という方が、恐ろしさは増した気もします。吉良が、しのぶに対しては「人間的な」気持ちをちらっと見せる、そうなってからの方が、キャラクターとして幅が出来て面白くなったように。単に女の手を愛でて喜んでる変態殺人鬼の頃よりもね。